あの月に向かって打て



ファンとの距離

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私は以前、アメリカに住んでいる時に何度かNBAを観戦しに行った。留学生だったのでお金もそれほどあるわけも無く、コートからは相当遠い位置で観戦していた。あれは確か我がゴールデンステート ウォリアーズ対デトロイト ピストンズだった。

前半は所定の座席で声援をしていたが、友人の韓国人が、
「下の階に行ってみようぜ!」
と、悪の誘いをしてきた。
ビビる台湾人をおいて我々は下の階へ走っていった。

もちろん下の階はコートが良く見えるが、価格も高い。しかし、我々は監視員の眼を盗んで、ゲートを突破した(良い子のみんなは真似しちゃいけないよ。地獄に堕ちます)。ゲートを駆け抜けて我々の前に広がったパノラマは素晴らしい。パッとまぶしい光に照らされ、会場が我々を招いてくれる。その明るさに見とれていると、『キュッ!キュッ!』という、バスケットシューズがコートとこすれる音がする。そう、世界で一番バスケットが上手い連中が私の目の前にいる。我々は空いている席を探した。その見つけた席は本当にリングの裏で、コートから3メートルもあるかないかの場所であった。ビールを飲むのも忘れて私たちはプレーに魅入っていた気がする。正直内容は憶えていない。結果は我がウォリアーズのボロ負けであったことは間違いない。ただただ私たちはバスケットリングの上での攻防、彼らの声、飛び散る汗、吐く息、きしむコートの床、そして彼らの熱さに圧倒されていた。おそらく我々の顔は少年の様な顔になっていたに違いない。ちなみにやはり輝いていたのは、グラント=ヒルだった。手の届くところにあの選手がいる。

メジャーリーグを観戦したときもそうだった。まず驚いたのは家族で観戦している人がおおい。また、バックネット以外にネットが存在しない。つまり、観戦しているファンと、プレーする選手の間に垣根がないのだ。さらに日陰に当たるバックネット裏では、老夫婦がスコアブック片手に楽しそうに話していた。アメリカ人にとって野球は家族で楽しむものなのだ。子供は試合前に、選手と話している。プロ野球選手と会話をしたことは、その少年は一生忘れない宝物だろう。ひょっとすると、プロ野球選手を彼は目指すかもしれない。それくらい選手を身近に感じることができるのだ。

確かにファウルボールが飛んでくれば観客に直撃する可能性は高い。しかし、野球を観戦しに来ている以上、そのリスクは含んでいるのだ。しかし、怪我などをすれば裁判沙汰になるのであろうが… 日本は過保護の気がする。どこでもかしこでもフェンスを置く。話はそれるが、私がオランダに旅した時に運河をたくさん見たが、そこにフェンスなどの柵はほとんとなかった。その柵の無さが非常によい雰囲気・景観を醸し出していた。日本だと、子供が運河に落ちてしまった場合、
「柵がなかったからだ」
と騒ぎ出す、自分の管理不足も省みない輩の様な親が多いのだ。しかしオランダもアメリカも、運河に落ちた場合、ファウルボールが当たった場合、それは自己責任の下の話なのだ。
特に野球を観に行っていて、ボールの行方も見ていないこと自体が理解に苦しむのだが…

私が考えるスポーツの浸透とは、プレイヤーと観客との距離感である。非常に距離の近い例としてWRCラリーがある。これは猛スピードで山などの自然に囲まれたコースを車が駆け抜けてその速さを競うレースだが、コースの沿道には多くの観客がいる。いつラリーカーが突っ込んできてもおかしくない場所だ。しかし彼らは観戦している。このレースの良さは、ラリーカーが転倒したり、砂にタイヤを取られて動けなくなったりした場合に、そこにいる観客が車を押すなどして協力して助けることがあるのだ。もしWRCに関心/興味の無い読者がたまたまそのラリーに観に行っていたとしよう。目の前でラリーカーが転倒した! 観客全員が走って車を助けに行く。おそらくじっとはしていられない衝動に駆られるであろう。また、力を合わせて車を押した時のラリーカーに触れたその感触。その人は一生WRCの虜になってしまうに違いない。

選手を身近に感じることができる。選手に触れることができる。そんな経験ができれば、大人も子供も関係なく、そのスポーツの虜になってしまうのであろうと筆者は考える。プロと呼ばれるスポーツは選手と観客との距離を縮めるべきだと思う。距離感を感じた時が、ファンが離れる時なのである。

何の説明も無いチーム内の人事異動、不可解な無銭トレード、リタイアするとその車を収納しすぐにシャッターを下ろしてしまうチーム、JOC、そして横綱審議会。それがファンとの距離を広げているように筆者は考える。なるほど、透明すぎるものも面白さにかけることは確かだ。しかし、開かれたスポーツにこそ明るさを感じることができると考えるのは筆者だけであろうか。スポーツは子供の夢である。スポーツは大人のおもちゃではない。例えそれが、野球であってもモータースポーツであってもである。

他にもっと距離の近いスポーツはありますか? そんなスポーツがあれば教えてもらいたい。そうやって、スポーツを拡げていけば、いいと考える。
特に、アメリカで放送されているボーリングの試合を見たことがある人は書き込んでもらいたい。日本の放送の仕方とはまるで違うので。いかに観客と近い位置にあるかが非常に良くわかると、筆者は考える。
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by mau46 | 2005-11-07 13:06 | スポーツ
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