あの月に向かって打て



フルアムVSボルトン 活劇


先日のアーセナル戦の他に、もうひとつロンドンに来た理由があった。それは翌日に行われるボルトン戦を観戦するためだ。アーセナル戦は日本でチケットを購入したが、やはりそれでは費用がかさむので、このフルアム対ボルトン戦はロンドンで購入しようと思っていた。

ホテルのコンシェルジュにチケットの手配を相談したが、サッカーのチケットはコンシェルジュでは扱っていないと言う。ホテルの最寄り駅のチケットセンターに行けば、チケットを購入できるかもしれないと教えてくれた。彼はフィリピン出身のコンシェルジュで非常に優しく丁寧に教えてくれた。妹さんが日本に住んでいた事もあって仲良くなった。皆さんも旅に出たら、そのホテルのコンシェルジュと仲良くなった方が良い。色んな街の情報を教えてくれる。

私はそのまま最寄り駅の近くにあるチケットセンターへ足を運び、問い合わせてみたがサッカーのチケットを扱ってはいなかった。やむなく移動して、旅行会社に飛び込んで聞いてもみたが、そこでも扱っていなかった。基本的にはネットで購入するのがスタンダードらしい。そういえば、来る時の飛行機で隣に座っていた兄ちゃんがそう言っていた事を思い出した。しかしここではネットを活用する手段が見つからなかった。いや、あるのはあるのだが、利用料金が高額なので使用を避けた。

旅日記でも後々書くが、色んなところを回るついでにその街のインフォメーションで尋ねるも、
なかなかこのギリギリのタイミングで翌日や当日のチケットを販売している店はない。

私はダメ元でスタジアムまで行ってみることにした。Tubeを乗り継いで、コンシェルジュに教えてもらった Putney Bridge駅へ向かった。試合開始が14時からなので、12時くらいには駅に到着していたと思う。駅の地図を見てスタジアムの場所を確認した。ちょっと歩かなければならない。しかし、日韓ワールドカップを観に行った(ロシア対チュニジア)時、神戸ウィングスタジアムから最寄の駅まで歩いた途方もない距離に比べると、なんてことはない。寒さに凍えながら歩いていった。途中、日本人らしい人が私の前を歩いていた。恐らく留学生か何かだろう。近所に中田英寿が来るので見に行くのであろうか。
「もうチケット持ってるんやろうなぁ~。いいよなぁ~」
なんて顔は決して出さず、堂々と道を歩いた。小さな強がりをする29歳である。

長い一本道を歩いていると、白を基調とする店があった。それはFulham(フルアム)Official Shopだった。店の壁を見ると”Ticket”と書いてあるので、飛び込んだ。店員に本日の試合のチケットがあるか尋ねると、
「おいていない」
と言う。軽い失望感を憶えると彼は続けた。
「スタジアムに直接行って、買いなさい。残っていれば買えるだろう」
「当たり前やんけ!」
心で突っ込みながら、店を後にした。

スタジアムに着くと日本人が大勢いた。ボルトンの選手を乗せたバスが到着するのを待っているのであろう。そのバスには中田も乗っているからだ。私はとりあえずチケットを買いに行った。問い合わせるとチケットは残っているという。
「さすが!フルアム!弱いだけある!」
なんて言えなかったが、嬉しさのあまり、
「Nakataを観に来たんだ」
と店員に言ってしまった。しまった、そう言えばホームはフルアムであってボルトンでない。しかし彼は気さくに対応して、
「きっと観れると思うよ。Good Luck!」
と言ってくれた。彼に礼を言ってチケット売り場を後にした。
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そのまま私は先ほどのバス到着場まで行って、マッチプログラムを購入し、ボルトンバスの到着を待った。しかし、マッチプログラムはフルアムの方が高かった。アーセナルは£2.00だったのに対し、フルアムは£3.00だった。この差は一体何か... 多くの日本人にまぎれながらバスを待つこと30分以上。なぜだろう、こちらの人(ヨーロッパ人)は寒さに強い。この中でゲームシャツ(薄地の半袖!)を着ているだけの子供が何人もいた。彼らはフルアムのサポーターでボルトンのバスを待っている。どうしてかって?? バスにブーイングを浴びせるためである。バスの停まる場所まで子供がせり出していたので、Steward(番人みたいな人)がやって来て、
「これ以上進むとフーリガンになるぞ~」
って子供を笑わせていた。日本人にこんなユーモアはない。アメリカでもヨーロッパでもそうなのだが、子供に注意する時にはエッセンスとして何かユーモアを入れる。こんなコミュニケーションの積み重ねが人とのつながりになっていくのであろう。日本人は人とのコミュニケーションを嫌う民族だ。人と目を合わせなければ必要以上に会話もしない。教育を間違っているのだ。杓子定規ではコミュニケーションは取れない。話がそれた...

バスが到着した。どこの国に言っても、日本人のおばはんはすごい。人を掻き分けて中田を探す。やがて中田でバスから降りた。彼は少し恥ずかしそうに降りてきたように思える。
え?画像がないって?そうなんです。焦って撮影に失敗しました。その間、子供達は絶え間なくブーイングを浴びせている。中にはボルトンのサポーターの子供もいて、歌を歌って彼らを迎えていた。

私はその後すぐにスタジアムに入り、席に着いた。このスタジアムは川沿いに立地されており、非常に美しい。座席の場所は写真でもあるようにRiverside Standの上の方だ。要するにメインスタンド側で、バックスタンドに向かって左側の上である。ここもピッチ全体が見渡せる絶好の場所だ。
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またHighburyと違って、観客席でタバコは吸えない。ふてくされながらまっているとアップが始まった。フルアムのキーパーが拍手に包まれながら出てきた。

私はそのまま別の方を見ていると、ボルトンの選手が現れた。もちろん中田もいる。私は反対のサイドでアップしているボルトンを見に移動した。私の数メートル前で中田がアップを行っている。日本人もたくさん来ていたが、私は一人黙って練習を見ていた。中田はいつものように、ボールをトラップ(自分の近くでボールを止める)前には首を左右に振っている。なぜこの必要があるかと言えば、サッカーは流動的なスポーツである。人からパスを貰った後で周りを見るようだと、その隙に相手にボールを取られてしまうリスクがある。トップ選手はボールを貰う前に、自分の周りがどうなっているのかの情報を頭に入れておくのである。そうすることによって、ボールを貰ってから次の行動に移るまでの時間が短縮されるし、隙もなくなる。どんな仕事でも準備が結果の明暗を分けることと同じように、中田も自分の最大の仕事であるパスの動作に入る前に準備を済ませているのである。
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その中田の徹底さに感心していると、スタジアムにスペシャルゲストが現れた。サー=ボビー=ロブソンだ。
(画像:これは私の撮った写真ではありませんが参考として... 申し訳ありません)
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あまりの突然だったので、写真を取るのを忘れてしまった。申し訳ありません! それにしても、周りの日本人! サー=ボビー=ロブソンが現れたのに拍手もせず、中田ばかりを見ている。結局知らないんだな。多くのチームで攻撃的サッカーを作り上げた偉大な人物を... プレミアリーグ(イングランドのプロサッカーリーグ)を観戦するくらいなら、少しはプレミアの歴史を調べればいいものを、と思う。サー=ボビー=ロブソンに会える機会なんて本当に少ないんだから。と憤慨しながら、しばらくサー=ボビーに見とれているとアップが終わってしまった。中田はスターティングメンバーに入るのであろうか...

おっ! もうすぐ試合が始まるな! このコラムの後編に続くな!


P.S. すいません。なかなか短くまとめられないんです。自分の考えとしては、サッカー好きな人は試合結果を知ってると思うんであまり試合内容は重視していません。むしろサッカー好きな人はスタジアムで生を観たいはずだから、できる限りスタジアムの雰囲気をお伝えできるように心がけておりますです。また、サッカーにあまり詳しくない方も、ホンモノ(本場)のサッカーの雰囲気を感じてくれたら、是レ幸いに思います。ご意見ご希望をお待ちしております!!
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by mau46 | 2005-12-12 17:24 | スポーツ
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