あの月に向かって打て



旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日大英博物館編~ =番外編=



私は大英博物館の前にいる。
「これがうわさに聞く...」
そうつぶやきながら入り口に向かった。
前編の画像でもわかるように、大きな柱がある。いったいどれくらいの大きさか。私が抱きついても手が回らない。そう考えるといかに一つ一つのパーツが大きいかわかってもらえることができるか。できないか...

そんなことを思いながらゲートをくぐり、財布の用意をした。
「なんぼかなぁ~。安かったらいいのになぁ~♪」
なんて思いながら歩いていると、知らない間に博物館の中へ入ってしまっている。
「???」
そうなのだ。大英博物館は入場料は取らない。無料なのだ。
素晴らしいことである。日本では考えられない事だ。
感心しながら、進むと中が開けてきた。
「あっ!」
博物館の中は吹き抜けになっている。
入り口から入ると、中はまるで中庭のように広がっており、中心に建物がある。そう、建物の中に建物があるのだ。何の建物かはまだわからない。後々訪ねてみよう。
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私はそのまま向かって左側の入り口から入ってみることにした。
おっと、その前に館内のマップを貰っておかなければならない。そうでないと迷子になってしまう。
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私はマップを案内で貰い、左側から入っていった。


入ると早速の人だかり。
「ん?なになに?」
人を掻き分けてみれば、ショーケースに飾られた石があった。
「これがロゼッタストーン!」
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何度か”世界ふしぎ発見!”で見たことがある。ナポレオンが発見したことは説明文を見てわかった。
そこで私が気づいた事がある。それは以下のことだ。

「世界史を勉強しておけばよかった!」

これに尽きる。私は学生時代に日本史を学んだ。日本史が好きだったこともあるが、もっと世界史に触れる機会を持っておけば良かったと思う。
そんな私でも弟に高校用世界史の教科書を借りて読んだ事がある。

「なんてつまらん本だ!」

心からそう思った。はっきり言って、日本の歴史の授業はカスである。いや、歴史の授業だけでないか....
歴史好きの私から言わせてもらえれば、歴史とは年号・年表の暗記ではなく、”物語”なのである。複雑な因果関係が絡み合って出来事が起こる。
それは今の時代も同じで、古くから歴史がそれを我々に伝えてきたのである。その”物語”をおもしろおかしく伝えることのできない教育の未熟な者が、年号・年表の丸覚えのような”歴史教育”を作り上げたのである。結果論だけ述べられる小説など読んでも楽しくないでしょう?大切なのはプロセスなのである。やはり受験と言うのは”悪”だな。
話が感情的にそれてしまった。申し訳ない。どうも教育問題になると感情的になってしまう。
よって私は、教科書からの世界史の勉強はする気が無くなった。
私が世界史を学ぶ方法は”世界ふしぎ発見!”しかないのだ。

ただ、ここでは世界史を知らない私でも圧倒されるほどの迫力がある。
世界をカタチづくってきたモノには、なにかしらのスケールがあるものだ。崇高な何かが...
私の目の前にあるモノは、はるか数千年前から世界を見続けてきた”何か”なのである。
たとえそれがモノとはいえ、私は敬意を払わずにはいられなかった。
そのまま横を振り返ると、もうひとつ驚かされた。
モニュメント(展示品という意味で使っています)がそのまま無造作に置かれているのだ。
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以前、私は”ファンとの距離(http://mau46.exblog.jp/m2005-11-01/#1764404)”というコラムで、”自己責任”を述べた。それはオランダの運河に柵がない事に通ずる。モニュメントに柵が無いのだ。さすがに、触ると崩れてしまうものにはガードがしてある。と言ってもそれは前面だけにアクリルの板があるだけで、手を回せば簡単に触れることができるのだ。日本では、必ず柵を張り巡らせ一定の距離を保つようにモニュメントから突き放される。サッカーで言えば、サッカー専用スタジアムと陸上競技場との違いのようだ。距離を感じるとモニュメントに感情移入できない。ひょっとすると、それが日本人の好きな、人と人との心の距離なのかもしれないが...
しかし簡単に手を触れる人は、私が見た限りはいなかった。と言うよりも簡単に触れないのだ。触れない雰囲気がある。
”もし自分が触れて壊しでもしたら、歴史を壊してしまうような感じになる”
そんな想いでいると、とたんにとなりのおっさんが堂々と石棺を触りだした。
某アジアの人だ。あえて伏せておく。察するのは簡単だと思うが...
係員の人に注意されていた。なんとも情けない。

”触るなら控えめにそっと触ればいいのに”

なんて思いながら歩いていた。
私は今、エジプト・ギリシャ文明のゾーンにいる。しかも入ってすぐのところだ。入ってすぐのところで、これほど多くの事を感じてしまっている。
そうだ、私は時間を忘れていた。

私はおもむろに歩き始めた。しかし感動と関心が私の歩みを遅らせる。歴史の目撃者たちが簡単に素通りさせてはくれないのだ。なまじ世界史を知らないだけに、一つ一つを丁寧に見ようとしてしまう。
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私の性格は合理性を求める性格だ。例えば百貨店に行く時は、まずエスカレーターで上まで登る。その際に、何階に何があるかの最低限の情報は頭に入れておく。そして、下りながら各階を回りながら帰る。無駄な動きをしたくないのだ。同じ場所を行ったり来たりなどもってのほかである。そのように行う事に努めてきたし、それがベストだと思ってきた。
その考えが崩れ去る時がきた。今日だ。
なんと、迷子さんになってしまったのだ。
Paddington駅で迷子になったのは仕方ない。右も左もわからないから。
ただ、この博物館では合理的に回ると言ったことが一切通用しない。一つの時代のゾーンが非常に大きく、さらにそのゾーンが多くの部屋によって細分化されている。Cube(http://www.cube-zero.jp/top.html)という映画を観た人は理解がしやすいと思う。映画の解説をすれば、立方体の建物の中に閉じ込められた人が脱出する映画だ。ただ、ルービックキューブが細分化されたような建物なので、自分がどの位置にいるかわからない恐怖があの映画にはあった。
そんな中で、私は今自分がどの位置にいるかわからない現象に何度か見舞われた。普段の自分が聞いたら、愛想を尽かすような事をしている。それほどまでにここはCubeなのだ。

私の友人が言っている事が正しいと思ったのはローマ文明のゾーンに行った時であった。
例えば、一つのモニュメントがある。そこには一つづつ説明がついているのだが、それを20秒間読んだとしよう。するとこの大英博物館を1日では回りきることは不可能に近い。それほどの膨大なモニュメントの数なのだ。よくもまぁこれほどの数を集めたものだ。大英帝国の凄さに圧倒されてしまう。
私は歩くことに関しては相当タフであると自負していたが、中盤でバテてきた。それでもせっかくのチャンスだ。無駄にしてはならない。そう思っていると、面白いことを発見した。

この博物館が無料で入場できることは前に述べた。しかし館内には箱があり、寄付を募っている。£3.00、5.00ユーロ程度を募金してくれ、と書いていたように思う。そこには各国の貨幣の写真が載っていた。何故か日本円だけは1000円だったことは面白かった。しかし、面白い発見はこれではない。
数多くあるモニュメントの前に椅子を置いて絵を描いている人が多くいるのだ。これはおそらく美大の学生や絵描きを趣味としている人が勉強のために彫刻などをモチーフにして練習しているのであろう。無料だからできることである。こうやって身近に歴史的モニュメント・芸術品に触れることができるため、学習意欲が沸く。いつも感覚的に手の届く場所に芸術を触れられるのは幸せなことだ。日本人は芸術などは遠い存在のように思ってしまいがちだが、ヨーロッパの場合は芸術と市民が共生している。感性が研ぎ澄まされるわけである。

足が棒の様になってきた。

それでも踏ん張ってローマゾーンを回り、世界の貨幣、そしてアジアゾーンを回った。
私は初めてミイラを見た。これも”世界ふしぎ発見!”でしか見たことがないような代物だ!
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おっ!モアイもある!
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とりあえず全てのゾーンを見終えて、さきほどの吹き抜けへ出てきた。最初に見た、中心にある謎の建物に入る。
「なんだこれは!」
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映画『インディ=ジョーンズ』に出てくるような図書館である。かなりの重要な書物が保管されているのであろう。その壮大さに圧倒されてしまった。

まだ完全には見きれていないことはわかっている。しかし、そろそろここを後にしなければ、当初のスケジュールをこなせない。
「今は何時だ?」
時間がわからない。私は時計を持ち歩かないのだ。とりあえず外に出て、Tottenham CourtRoad Stationへ向かった。次はトラファルガー広場へ行かねばならぬ。再びTubeに乗ってトラファルガー広場の最寄り駅である、”Charing Cross Station”へ向かった。どう考えても昼の2時を超えている...

P.S. 大英博物館をこれから訪れようと考えておられる方へ... 絶対に辞書を持っていった方がいいです! 必ず重宝します。 説明文は専門用語が多くて日本教育単語ではカバーできません!

To Be Continued...(少しムキになってきた)
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by mau46 | 2005-12-27 02:21 | ロンドン旅日記
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