あの月に向かって打て



トーナメント準々決勝 6月30日

ついに始まったクォーターファイナル。

高校野球でもなんでもクォーターファイナルが一番オモシロイと言う。

ここまできたら楽な戦いは一つとしてない。
観戦するこちら側にも緊張が走る。

○ ドイツVSアルゼンチン (1-1 PK4-2)

相撲には負けずに試合で負ける。ルールがある限り、これは必ずついてまとうものだ。
この試合は数少ない私の好きなアルゼンチン選手、アジャラに注目したい。

「彼にファールした選手は、数分後ピッチに倒れることになる」

アジャラにファールをすると、その選手は知らない間にアジャラによってピッチ上に葬られる。しかも合法的に。
アジャラはカードをもらわない。ルールに乗っ取ってマークを殺すのだ。
例えばドイツのコーナーキックのシーンでアジャラはドイツのエースバラックのマークについた。その執拗なマークにバラックは審判に不満を訴える。さらにアジャラを突き飛ばすように払いのけようとする。
テレビはそこまでだった。しかし、ドイツのコーナーのチャンスが失敗に終わった時、審判の笛が鳴った。バラックのアジャラへのファールをとったのだ。しかしおかしい。倒れているのはバラックである。バラックはアジャラを払い除けようとしているのだが、知らない間にアジャラの腕を顔面に食らっていた。
これがアジャラである。合法的に相手を葬る。誰も知らない間に。

今日、アジャラは1点を挙げた。
しかし、PKで外した。
アジャラに始まりアジャラに終わる。そんな試合だった。

日本代表に必要なものはアジャラのハートだ。

しかしドイツのGKレーマンの冴えはすさまじい。
アルゼンチンのPK全てに反応していた。
一つも逆をつかれなかった。
最高の冴えを見せてくれた。

泣くなカンビアッソ。お前の外したPKは歴史になって、そして誰かがその歴史をまた美しく塗り替えてくれるのだ。
それほどお前のプレーはこの大会輝いていた。

○ イタリアVSウクライナ (3-0)

全ては先取点だった。
ウクライナが取ればゲームは動く。
イタリアが取ればゲームは沈黙する。

しかし先制点はイタリアだった。しかも試合開始6分。
これは相当予想外だった。

先取点を取られたウクライナは攻める。
しかし今日のイタリアのディフェンスはカテナチオ復権を匂わせるものだった。
カテナチオとは閂(かんぬき)の意味で、鍵をかけてしまう事である。つまり1点入れればあとは鍵をかけて誰も入れさせないサッカーをする。
それに今日のイタリアディフェンスは“魂"がプラスされていた。
結局3点を入れられてウクライナは敗れ去るのだが、得点の可能性は見せた。
しかしその夢を乗せたウクライナのヘディングシュートはイタリアキーパーブッフォンのパンチングによって打ち砕かれる。ブッフォンはその飛び込んだ勢いのまま、顔面をゴールポストに直撃させてしまう。ボールがクリアされたのを確認したブッフォンは初めてその激痛に気づいたように倒れこむ。
これが“魂”なのだ。

このレベルまでくれば、プレーに“魂”が乗ったチームが勝ち残る。
ウクライナも“魂”が溢れたが、イタリアの方がほんの少し“魂”が多く乗っていた。

これも勝負である。
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by mau46 | 2006-07-01 21:11 | スポーツ
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