あの月に向かって打て



死体置場でロマンスを ~香港旅日記その3~


昨晩寝る前に、Jennyにもらったガイドブックを読んで、大体どこに行くかは決めていた。
香港では正午に海岸で空砲を撃つのである。それを観に行こうと。そしてその後が本日のメインである、母が10年前に行ったレストランに行くのである。そもそも店がまだ存続しているのかも定かで無いが、行ってみる価値がる。何故かって?それは「安い・美味い・日本人いない」からである。

ホテルを出てCauseway Bay駅まで歩いていく。午前の街は昨晩のゴミのにおいにむせ返る。それはきっと上海蟹のにおいなのであろう。甲殻類の翌日のにおいは、それは恐ろしいものである。

大砲の場所へ向かう途中に“そごう”があるので少し覗いていく事に。中はさして代わり映えもなく、別に面白いわけではなかった。やはり我々は魚市場などの庶民的な文化に触れたい人間なのであろう。そごうを出た時に、はっと息を呑んで立ち尽くした。なんと道を挟んだ向こうに、Jennyから教えてもらったマンゴープリンの店があるのである。空砲を見て、レストランで食事をしたらそこへ向かう事にした。

若干道に迷いながらも大砲の場所まで来ると人はまばらだった。まだ時間に少し余裕がある。すると係りの人がやってきて大砲の付近に立った。にわかに人が増え始めた。そして時折聞こえてくるのが日本語である。あ~あ。そうこうしていると時間が来た。私は大きな音が苦手なので耳をふさごうとすると妻に止められる。「怖いやん・・・」『ドーーーーン!』係りの人は無機質に引き金を引いていた。衝撃波が足に伝わり、しばらく耳鳴りが止まなかった。簡単に空砲を鳴らすものである。

我々はそのまま母の薦めるレストランを探すことにした。そごうの近所にある三越の裏側から真っ直ぐ伸びている道沿いに『南北楼』という店があるらしい。四川料理である。ところがいくら探しても見当たらない。三越からはそう遠くは無いらしいのだが、少し行動範囲を広めてみた。方々歩き回って諦めかけたその時、全然違う場所に見つけた『南北楼』!
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店に入って席に着くと、非常に静かで良い雰囲気だった。また店員も非常に感じが良く、満足できそうな店だった。妻は『北京ダック』を食べたいと言うので注文した。すると、二人では多すぎる分量だと言う。仕方なしに別の北京ダックを注文した。その他、四川風焼き飯や肉料理、そしてスープを頼んだ。注文してから周りをみると少し暗めのいい味の出た店だ。日本人ではなく、現地人がよく来る店らしいのだ。しばらくするとスープがきて食べていると私の後ろの入り口が開いた。子供が二人勢いよく入ってきて向こうのテーブルに着いた。
「走っちゃダメよ~」
日本語全開でその母親が遅れて入店。店の中は子供の大きな日本語大合唱。まぁ、仕方ないか・・・
出された料理は絶品!しかし辛い!店員に聞くと、本場はもっと辛いという。「日本人は辛いのが苦手やから、これくらいでいいのでは?」と言われた。私は大丈夫なのだが、妻は火を吹いていた。値段はアシカに安い。しかし、昨晩我々が食べた屋台の焼き飯に比べると、それは高い。激安ではないが、それ相当に安く美味しかった。

満腹のまま我々はマンゴープリンの店へ。注文は1個。私は食べなかった。少しもらうだけで十分である。理由もある。冷たいモノを食べてお腹を壊すのを恐れたのである。(参照:ロンドン旅日記)しかし一口もらったのだが、非常に美味しい。マンゴープリンがマンゴーの果肉の上に乗ってあり、それらの下にはココナッツアイスが敷いてある。
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食べたこと無い味だが、是非また食べたいと思う味である。ありがとうJenny。

その後、MTRに乗って向かったのが、香港動植物園である。何を隠そう、私は動物園好きである。シンガポールでもワニ園やバードパークに一人で行った。しかもココは入場が無料なのである。しかしやはりタダには限界がある。「おっ!」っと思ったのは、豹とサル、そしてアミメニシキヘビだけであった。もっとすごいのを期待していたのだが残念。園を後にしようとしたら呼び止められた。どうやらカップルが写真を撮って欲しいらしい。快く妻が撮ってあげると返事は、
「カムサミダー」
そっか、君達には僕らが韓国人に見えたのか。複雑な気持ちのまま後にした。

そのままタクシーに乗ってJennyに教えてもらった、ナイトスポットへ行く。ここはナイトクラブが乱立しており、若者やヨーロピアンが遊びに来るらしいのだ。しかし、少し時間が早すぎたようで、あまり人通りが多くない。たまたま発見したタバコ屋さんに寄ってみる事にした。ここでは驚くべき事実を知る事になる・・・

この店はキューバ産の葉巻専門店で、葉巻を嗜んだ事の無い私は試してみたいと思ったのである。店のお姉さんが色々説明してくれた。今なら3本葉巻を購入すると1本タダなのだそうだ。薦められた葉巻を吸うことにした。1本につき大体30分以上は吸うのに時間がかかる。贅沢な趣味である。そしてその時間の間に私はついに香港人に質問する事に成功した。
「実際のところ、ジャッキーは香港でどれほどの人気があるのか」
お姉さん曰く、
「おっさんやから、人気ないわよ」
この打ちのめされ感は何であろう・・・私の中のムービースターが、既に人気が無いとは・・・私はジャッキーの映画を事細かに説明した。
「プロジェクトAは1983年の映画で傑作やんか・・・」
「あ、それ私の生まれた年」
「え~~!」
なんと言うことだ。
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あまりのショックに呆けていると、後ろの別の店員さんが話してくれた。彼女はジャッキーの映画を集めているとの事だ。もちろんユン=ピョウもサモハン=キン=ポーも知っている。ジャッキーは歳をとっても鼻がでかいことも笑ってくれた。たまにジャッキーの息子が見せに来るらしい。顔は似ていないのだが、鼻のデカさは一緒らしい。そう、こうでなければ、香港人!彼女は宮崎映画が好きなようだった。お礼に彼女に、「三鷹の森ジブリ美術館」を教えてあげた。非常に喜んでくれた。さっきの彼女はあきれて別の仕事をしている。彼女は「Rain」という韓国人歌手が好きらしく、知らない私をおっさんかのような目で見た。その視線が痛かった・・・

店を出てクラブに入った。店内ではラグビーの放送が行っており、イングランド人が大騒ぎしていた。するとラグビーに興味がなさそうなアメリカ人が話しかけてきた。彼はニューヨーカーで香港へは仕事できているらしい。3人で2時間以上も飲んでしまった。彼の会社はアメリカへ家族に国際電話をかけてもその電話料金をすべてもってくれるらしい。日本の企業はそんな事はできないであろう。見習うべきである!!彼とは、他の言語を学ぶのは楽しいこと。平和のこと。スラングのこと。色々話した。非常に興味深い時間だった。私にとってもAmerican Englishを聞けて話せたので、非常に楽に話せた。

ラグビーの試合を見ているイングランド人が声援を送る。妻はその野太い声に驚く。昨年私が行ったロンドンでのアーセナル・サポーターの声に比べるとましだと伝えると驚いていた。

我々はその場を後にしてホテルへ帰った。いや、正確に言うと小腹が空いたので、また途中の屋台に寄って焼き飯を食べて帰った。


もう明日は、帰国の日である。
Time Flies・・・・


つづく
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by mau46 | 2006-11-16 18:01 | 香港旅日記
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