あの月に向かって打て



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旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日ロンドン ハニー~ =番外編=


相当な疲労だ...
歩くことには結構な自信があったのだが、もう足が棒の様だ。

BaysWater Stationの近くには2件ほどチャイニーズレストランがあった。
どちらにしようか迷ったが、北京ダックが吊るされている方の店を選んで入った。

とにかく寒かったので、早く食べたかった。席に着くとお茶を出してくれた。これが一番ありがたかった。私はどの国に旅をしても、必ずその国のチャイニーズを食べる。そして決まってオーダーするのが焼き飯だ。それも『BBQ Pork Fried rice』いわゆる焼きブタ入り焼き飯だ。これはメチャメチャうまい!皆様にもオススメの一品だ。
(写真:美味しいBBQ Pork Fried riceの一例。こんなのが出てきて欲しかった...)
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私は迷わずそれとスープをオーダーし、お茶をすすった。思いのほかのどが渇いていたらしい。猫舌の私だが、いつもにないスピードで飲み干していた。そしてすかさずおかわりをお願いした...

しかし気になったことがあった。『BBQ Pork Fried rice』をオーダーする際に、
「Steamed Rice? or Fried Rice?」
などと聞かれた。こんな事は初めてだった。うっかりすると、普通の白飯の上に焼きブタがのっただけの料理を出されるところであった。すかさず、
「Fried Rice with BBQ!」
と言った。念のためにBBQとご飯を一緒に炒めるゼスチュアまでするサービスもしておいた。

私の席の向かいには中東系のカップルが食事している。そして隣には葉巻を咥えた人が2人。中東のカップルはテーブルに乗り切らないほどの料理をオーダーしていた。彼らは箸を不器用に使いながらも食べている。
「早く焼き飯こないかな...」
彼らをうらやみながら見ていると、お茶のおかわりがきた。すかさず飲む。隣の葉巻の2人は食べるわけでもなく何か話し込んでいる。悪のシンジケートのような風貌を呈していたが、あまり関わらないように視線を向かいのカップルの方へ移しておいた。

スープがテーブルに届けられてから、なかなか焼き飯がこない。ここでイラつくのは関西人気質なのか。やがてウェイターが焼き飯を届けてくれた時には驚かされた。
普通、『BBQ Pork Fried rice』は、焼きブタを小さなサイコロ状に切り刻んで、焼き飯と一緒に炒めて調理されるのが一般なのだが、ここでのそれは違うものだった。

明らかにこれは焼き飯の上に大雑把に切られた焼きブタをのせただけのモノである。しかもそこに焼きブタのタレがかかってある。そのタレも分量が多すぎで、これは焼き豚丼の様相を呈していた。とにかく腹が減ったので食べよう。

案の定、マズい。そしてしつこい。

どうしようもない気持ちになりながら食べてはいたが、やはり残してしまった。美味くないくせに分量は多い。最悪のパターンだ。向かいのテーブルでは予想通り食べきることの出来なかったカップルが席を立とうとしている。彼らの残したエビの料理がうらやましい。
私は食べられるだけお腹にかき込んで、店を後にした。

外は寒い。

お腹がいっぱいでビールを飲む気になれない。
「ホテルでひと休みしてから、パブに行こう。」
ホテルに戻って部屋に入ると、死んだように眠ってしまった...
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目が覚めると夜中の12時くらいだった。
「この時間じゃパブはいけないなぁ」
後悔は先には立たない。が、喉は渇く。どうやらさっきの焼き豚丼のタレで喉が渇くみたいだ。
「そう言えば1Fにバーがあったな...」
(写真:ホテルのバー。ホテルのHPから拝借)
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とりあえず、財布とタバコを持って降りて行った。

バーカウンターに行くと、女の子が立っていた。他に客はまばらだ。しかもみんなはカウンターには座らずに近くにあるソファでくつろいでいる。
迷わず私はカウンターに腰掛ける。ひとりぽっちで退屈しているレディを放っておくわけにはいかない(アホでんな...)。

とりあえずDark Beerを飲もうと尋ねてみたが、ここには無いらしい。仕方なくオススメのビールを飲むことにした。
彼女は無愛想にビールを入れてくれた。このまま一人で飲み続けていても退屈だ。どうしようか...
彼女の胸を見ると、バッヂがあった。それはイタリアの国旗だった。
ここの従業員は自分の国籍のバッヂをつけている。各国のお客が来ても対応をスムーズに行えるようにする配慮なのだろう。
「イタリア... ラッキー!」
何故か私はイタリア人とはうまが合う。
すかさずどこから来たのか尋ねると、ローマだという。
ロベルト(留学時代の友人。参照:http://mau46.exblog.jp/m2005-10-01/#1289664)と一緒だ。これもついている。
ところが彼女はカルチョ(イタリア語でサッカー)には興味が無いらしい。私は話題を変えて、留学時代のロベルトとのパスタの話をした。


それは、寮で私がパスタを作っている時にロベルトが通りかかった話だ。
- 彼は私がパスタにトマトケチャップを使っていることに激怒した。
- 「そんなのはパスタじゃない!」
- 彼はまくしたてる。
- しかし私はこう答えた。
- 「ごめんな。本当のイタリアのパスタとは違うかもしれないけど、これは僕の母親の味なんだ。」
- ロベルトがたじろいだ。彼は態度を一変させて私に謝った。
- 「申し訳ない!そんなつもりはなかったんだ!お前のママの味なら、それはベストの味だ。本当に申し訳ない!」
- イタリアではママの権力は絶対だ。彼は申し訳なさそうに去って行った。
- その後彼の部屋にいき、パスタを少し食べてもらった。彼は、
- 「なんて美味しいんだ!」
- 彼は私に気を遣ってそう言ってくれた。
- こんなやり取りが、私とロベルトとの距離をぐっと近づけた。


やはり彼女も「トマトケチャップを...」のくだりではロベルトと同じ顔をした。しかし、彼女もロベルトと同じ反応だった。
このネタはイタリア人には効く。一発で彼女との距離が近づいた。

彼女の名前はAlessia。ブロンドのカワイイ子だ。年齢は聞いていないからわからない。年齢を尋ねるなんて野暮なことだ(完全にアホでんな...)。

色んな話をした。Alessiaがローマから車でクロアチアまで旅行したこと。5時間程度で行けるようだ。日本には行ってみたいこと。私がロンドンへ初めて来たこと。彼女は料理が苦手なこと。いつもレトルト食品で済ましているらしい。かなりハードなシフトで仕事をしている事。
いつしかずっと互いに笑顔で話しているようになった。

もう時間は2時を越えていた。彼女は明日の朝は7時から仕事らしい。相当過酷な労働条件だ。そろそろバーも閉めなければならない。彼女はレジを締めて片付ける準備をすると着替えに行った。
日曜日は仕事は午前までらしい。
「じゃあ、日曜の夜でも飲み誘おうか...」
そう思った時に、着替えが終わったAlessiaが戻ってきた。
「Alessia、次の日曜...」
と言った瞬間にAlessiaから、
「私のボーイフレンドよ♪」
と、同じホテルの従業員を紹介されてしまった。

うぅ~む。逆転満塁サヨナラホームラン。

「彼もローマ出身でカルチョが好きだから、あなたと話が合うと思うわ。」
Alessiaが言う。
「そうやね...」

世の中うまくはいかないものだ。
グラスに残ったビールを一気に飲み干して私は部屋に戻り、ふて寝した。
(写真:Alessia。私の写真は女性を不細工に写す。Alessiaごめん!!本来はもっと若くてCuteな子です!)
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明日はアーセナルの試合を観に行く日である。
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by mau46 | 2006-01-28 16:42 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日ギャラリーフェイク~ =番外編=

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はじめに・・・

私が今、ハマっている本がある。
『ギャラリーフェイク』
である。
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この作品をざっくり説明すると、

贋作を専門に扱う画廊「ギャラリーフェイク」のオーナー・フジタは、元メトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)で、腕のイイ修復師でもあった。美術館の裏事情や、ブラックマーケットに通じる彼の元には、美術品をめぐるトラブルの解決や、怪しい相談など、次々と舞い込んでくる…。

というものだ。美術作品の見方というものを私に教えてくれた本である。
ロンドンに行く前にこの本に出会っていれば、私の旅ももう一つ厚みのあるモノになっていたかも知れない...
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Charing Cross StationにTubeが滑り込んだ。
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もう何時だろうか。ロンドンでは思ったより日が沈むのが早い。時間との相談よりも太陽との相談が多くなる。

改札を出て、トラファルガー広場への案内へ従って歩いていった。地上に出ると空はどんよりと薄暗かった。南の方へ視線を移すと仰々しい建物が向こうに見える。
「あれがロンドンの中枢区かな」
コンシェルジュが言っていた事を思い出した。ここから南へ歩いていくとWest Minsterへ到着する。それは日本で言う永田町になるのであろうか。
「トラファルガーを見てからこの道を南下すれば、ビッグベンやな...」
そう思いながらトラファルガー広場へ足を進める。目の前に大きな像が現れた。
「ん?」
よく見るとこの像には、『キングジョージ○世』と書いてある。
私は世界史には全くもって知識面で暗い。自分の勉強不足にほとほと困り果てたこのロンドン旅行。頭に大量の鳥の糞をかぶったキングジョージ○世が私を見下ろす。
「お前、もうちょっと勉強してから来いや」
そう怒られている感じがした。
「頭に鳥の糞をかぶった王様に言われてもなぁ...」
と心の中で反論した。
像の頭に糞が落ちていると言うのは鳩が相場だろうが、ここではカモメも多い。カモメとは案外恐ろしい目をしている。飛び方も鳩に比べて鋭角に飛んでくるので、ちょっとした怖さを感じる。

広場に辿り着くと、思った以上に広い事に驚いた。広場の中心には噴水があり、そこの周りには多くの観光客がいる。その美しさに目を奪われていると、私は大切なものを見落としていることに気づいた。
そもそもこのトラファルガー広場は、スペインの無敵艦隊をトラファルガーの海戦で破ったネルソン提督をたたえるために造られた広場である。
たびたび申し上げるが、私は世界史に暗いためこの広場の意義は帰国後に聞いたものだ。さらに事前調査をしないので、この広場の情報が全くない。お恥ずかしい話だが...
しかし、そのネルソン提督がどこにいるのかわからない。
「あの塔は...?」
噴水の南にそびえ立つひときわ高い塔、これに目がいった。
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実はこれがネルソン提督だったのだ。これで、いかにトラファルガー海戦での勝利がイングランドに大きな喜びを与えたものだったのかわかった。なぜ、私がネルソン提督に気づかなかったか。それはあまりにも塔が高すぎてネルソン提督が見えなかったのだ。彼はそびえ立つ塔の上から南を向き、はるか大西洋を他国から守っているようだった。その壮大な塔のスケールが海戦の勝利の価値を表している。歴史を知らない私にも、それを黙って悟らせるモニュメントに圧倒されながら、広場をしばらく散策しタバコを吸った。一息ついたところで、大英博物館の情報をくれた友人の言葉を思い出した。
「オレは大英博物館よりも、トラファルガー広場の裏にある美術館の方がおもろかったな。」
振り返ると、美しい建物があった。
タバコを吸い終えると、私はそのままギャラリーに向かっていった...


そこは正確には、ナショナルギャラリーという。
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http://www.nationalgallery.org.uk/
やはり入場は無料だった。しかし、寄付金で運営していくシステムなので、とりあえずポケットにあるお金を入れてきた。私は大英博物館でも同じように支払っていた。貧乏な旅だったので、博物館・美術館が求める額ではなかったかもしれないが、容赦してもらいたい。

大英博物館と違って、ナショナルギャラリーでの画像はほとんど撮っていない。ギャラリーでは撮影禁止のためだ。だから、このコラムではギャラリーのページから画像を拝借したいと思う。
また、各部屋ごとに監視員がいるので管理面でも徹底している。私はギャラリーに入って階段を登った。
「あれ??」
思うように足が動かない。私は歩くことに関してはタフであると自負しているが、予想以上に大英博物館で歩き回ったため、知らない間に”足”を使ってしまっていたのだ。また、ロンドンは雨が多いと考え、こちらへはブーツしか履いてきていない。それが思いのほか足に負担をかけていた様子だ。
疲労で思うように動かせない足を引きずりながら私は歩き始めた。
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私は階段を登って真っ直ぐ歩き、1600~1700年の作品を見た(マップでオレンジのエリア)。正直言って美術面に全く詳しくない私だったが、ルーベンスくらいは知っている。『フランダースの犬』でネロが憧れた絵を描いた人である。

全体的に歴史を感じさせる美しいフローリングで敷き詰められた床は、キュッキュッと気持ちの良い音色を奏で、ヨーロッパの芸術の世界に私を誘ってくれる。
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大英博物館のコラムでも書いたが、欧米人はシアワセ者である。こういった芸術やモニュメントを身近にして生活することができるのだ。
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私は義務教育の間に美術の授業を受けたことがある(当たり前か)が、こういった芸術品の説明などはほとんど受けたことがない。その授業のほとんどが作品の製作のために時間を費やされる。またもや教育批判で申し訳ないが、ああいった作品の出来如何によって成績をつけると言うのには納得がいかない。その人が一生懸命に作った作品であれば、それは最高点なのである。そんなあやふやな点で優劣をつけるのであれば、もっと美術館などへの見学などに時間を費やし、海外に出ても芸術面で日本の良さを伝えれるように、また、海外の作品を恥をかかない程度に理解できるように教える義務があると思う。

また熱くなってしまった。


私はその後、1500~1600年のエリアに移動した(マップでパープルのエリア)。そこにはレオナルド=ダ=ビンチやミケランジェロの作品がある。そう言えばミケランジェロの作品は見たことがある。そうだ、昨年ベルギーのブルージュを訪ねた時に立ち寄った教会にあった。そこには彼が創ったマリア像があったように憶えている。ミケランジェロに会うのはこれで2回目だ。ヨーロッパの歴史に少し触れさせてもらった気がした。
そのまま1250~1500年のエリアに移った(マップでブルーのエリア)時は、ついに足が悲鳴を上げた。それでも「絶対にこのギャラリーの作品を見ておかなければならない」と自分に言い聞かせ、一つ一つできるだけ丁寧に見て回った。今までギャラリーなどには行った事がなかったため、どのように作品を堪能すれば良いのかわからかったが、本音を言えば、どのようにこれらの作品を私自身に取り込んでいけば良いのかは最後までわからなかった。

最後に1700~1900年のエリアへ移った(マップでグリーンのエリア)。そこにはゴッホやゴーギャンがいる。
『ひまわり』を見た。
私は某保険会社が58億円で購入した事を考えた。私にとって、『ひまわり』とは、日本が強かった”円”に任せて札束構成のうちに購入したイメージしかなかった。特に『ひまわり』に対しては感じるところがなかったと言うのが正直な感想だ。
しかし私が、
「おっ」
と思ったのが、ゴッホの作品の隣にゴーギャンの作品が展示されてあるのだ。彼らが短い間同居していたことくらいは私でも知っている。
ゴーギャンがゴッホの元を去り、失意のうちにゴッホは悲劇の最後を遂げる...
その二人を再びめぐり合わせている事に対して、ノスタルジックな気分に浸っていると、それをぶち壊すノイズが私の耳をつんざいた。
聞きたくもない日本語だった。今日はほとんど日本語を聞くことが無かったので、海外旅行気分に気を良くしていたのだが... 
しかし、その人たちも旅で来ているのであろうから、罪はない。仕方なく作品に集中する事にした。それは不可能だった...
女の子2人だったのだが、大きな声でなんやら彼女(一方的にしゃべっている方)がわめく。無視できないイントネーションだ...

「わたしはゴーギャンがここに置いてある事には納得いかない!」
「そもそもゴーギャンは...」
「そしてゴッホという人物は...」

困ったなぁ。「うるさい」って日本語で注意しても、周りからは同じ人種と思われるし、海外に来て日本語で話したくもないし。それにしても聞きなれないイントネーションだ。どこの人種だろう。謎はすぐに解けた。

「わざわざ鹿児島から来て、ゴーギャンがゴッホの横に並べられているのを見るとは...」
との事。
「そうか、西郷どんの...」

注意しても彼女を芸術面で論破できる自信はないので、聞かないように聞かないように作品に再度集中した。それが疲労を倍増させてしまった。
すべてのエリアを網羅(理解はまったく出来ていないに等しい)して、私はギャラリーを後にした。

外に出ると既に暗かった。先ほど見えたビッグベンがライトアップされている。
自分の足と相談した。「もう無理だよ」そう訴えている。

今日は良く頑張ってくれたと思う。ではホテルに帰ろうか...
それは同時に今日出発する時に頭の中で計画した予定がもろくも崩れ去った瞬間でもある。

帰りのTubeに乗りながら当初の予定を考え直してみた。

チケットセンター→大英博物館(午前で回る)→トラファルガー広場(2時間程度かな)→ビッグベン・Paliament(1時間程度)→バッキンガム宮殿(1時間程度)→Harrods(2時間程度)→ケンジントンパレス(1時間程度)→ホテルへ

全くもってひどいものである。3分の1もこなしていない。
「これは明後日の27日に回るしかないな」
と心に思った。その日はもしチケットが手に入ればサッカーを観に行こうと考えていた日である。サッカーチケットを手に入れることが出来なければ、残りの予定地を回ろうと自分に言い聞かせたのである。
そうこう思っているうちにBayswater Stationに到着した。

そう言えばお腹が空いた。移動に夢中でランチをとっていなかったのだ。私は駅を出てパブに行こうと思ったが、思いとどまった。また、”アレ”を食べたくはない。翻してチャイニーズレストランに足を向けた。チャイニーズは世界中どこに行ってもハズれる事はないだろう。
私はドアを開け、お店に入っていった。

この後、私は今までもっとも不味かったチャイニーズを食べることになる...
そして、ホテルでの新しい出会いが待っていることも、この時の私はまだ知らない。


To Be Continued... (お腹空いた...)
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by mau46 | 2006-01-17 18:28 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日大英博物館編~ =番外編=



私は大英博物館の前にいる。
「これがうわさに聞く...」
そうつぶやきながら入り口に向かった。
前編の画像でもわかるように、大きな柱がある。いったいどれくらいの大きさか。私が抱きついても手が回らない。そう考えるといかに一つ一つのパーツが大きいかわかってもらえることができるか。できないか...

そんなことを思いながらゲートをくぐり、財布の用意をした。
「なんぼかなぁ~。安かったらいいのになぁ~♪」
なんて思いながら歩いていると、知らない間に博物館の中へ入ってしまっている。
「???」
そうなのだ。大英博物館は入場料は取らない。無料なのだ。
素晴らしいことである。日本では考えられない事だ。
感心しながら、進むと中が開けてきた。
「あっ!」
博物館の中は吹き抜けになっている。
入り口から入ると、中はまるで中庭のように広がっており、中心に建物がある。そう、建物の中に建物があるのだ。何の建物かはまだわからない。後々訪ねてみよう。
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私はそのまま向かって左側の入り口から入ってみることにした。
おっと、その前に館内のマップを貰っておかなければならない。そうでないと迷子になってしまう。
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私はマップを案内で貰い、左側から入っていった。


入ると早速の人だかり。
「ん?なになに?」
人を掻き分けてみれば、ショーケースに飾られた石があった。
「これがロゼッタストーン!」
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何度か”世界ふしぎ発見!”で見たことがある。ナポレオンが発見したことは説明文を見てわかった。
そこで私が気づいた事がある。それは以下のことだ。

「世界史を勉強しておけばよかった!」

これに尽きる。私は学生時代に日本史を学んだ。日本史が好きだったこともあるが、もっと世界史に触れる機会を持っておけば良かったと思う。
そんな私でも弟に高校用世界史の教科書を借りて読んだ事がある。

「なんてつまらん本だ!」

心からそう思った。はっきり言って、日本の歴史の授業はカスである。いや、歴史の授業だけでないか....
歴史好きの私から言わせてもらえれば、歴史とは年号・年表の暗記ではなく、”物語”なのである。複雑な因果関係が絡み合って出来事が起こる。
それは今の時代も同じで、古くから歴史がそれを我々に伝えてきたのである。その”物語”をおもしろおかしく伝えることのできない教育の未熟な者が、年号・年表の丸覚えのような”歴史教育”を作り上げたのである。結果論だけ述べられる小説など読んでも楽しくないでしょう?大切なのはプロセスなのである。やはり受験と言うのは”悪”だな。
話が感情的にそれてしまった。申し訳ない。どうも教育問題になると感情的になってしまう。
よって私は、教科書からの世界史の勉強はする気が無くなった。
私が世界史を学ぶ方法は”世界ふしぎ発見!”しかないのだ。

ただ、ここでは世界史を知らない私でも圧倒されるほどの迫力がある。
世界をカタチづくってきたモノには、なにかしらのスケールがあるものだ。崇高な何かが...
私の目の前にあるモノは、はるか数千年前から世界を見続けてきた”何か”なのである。
たとえそれがモノとはいえ、私は敬意を払わずにはいられなかった。
そのまま横を振り返ると、もうひとつ驚かされた。
モニュメント(展示品という意味で使っています)がそのまま無造作に置かれているのだ。
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以前、私は”ファンとの距離(http://mau46.exblog.jp/m2005-11-01/#1764404)”というコラムで、”自己責任”を述べた。それはオランダの運河に柵がない事に通ずる。モニュメントに柵が無いのだ。さすがに、触ると崩れてしまうものにはガードがしてある。と言ってもそれは前面だけにアクリルの板があるだけで、手を回せば簡単に触れることができるのだ。日本では、必ず柵を張り巡らせ一定の距離を保つようにモニュメントから突き放される。サッカーで言えば、サッカー専用スタジアムと陸上競技場との違いのようだ。距離を感じるとモニュメントに感情移入できない。ひょっとすると、それが日本人の好きな、人と人との心の距離なのかもしれないが...
しかし簡単に手を触れる人は、私が見た限りはいなかった。と言うよりも簡単に触れないのだ。触れない雰囲気がある。
”もし自分が触れて壊しでもしたら、歴史を壊してしまうような感じになる”
そんな想いでいると、とたんにとなりのおっさんが堂々と石棺を触りだした。
某アジアの人だ。あえて伏せておく。察するのは簡単だと思うが...
係員の人に注意されていた。なんとも情けない。

”触るなら控えめにそっと触ればいいのに”

なんて思いながら歩いていた。
私は今、エジプト・ギリシャ文明のゾーンにいる。しかも入ってすぐのところだ。入ってすぐのところで、これほど多くの事を感じてしまっている。
そうだ、私は時間を忘れていた。

私はおもむろに歩き始めた。しかし感動と関心が私の歩みを遅らせる。歴史の目撃者たちが簡単に素通りさせてはくれないのだ。なまじ世界史を知らないだけに、一つ一つを丁寧に見ようとしてしまう。
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私の性格は合理性を求める性格だ。例えば百貨店に行く時は、まずエスカレーターで上まで登る。その際に、何階に何があるかの最低限の情報は頭に入れておく。そして、下りながら各階を回りながら帰る。無駄な動きをしたくないのだ。同じ場所を行ったり来たりなどもってのほかである。そのように行う事に努めてきたし、それがベストだと思ってきた。
その考えが崩れ去る時がきた。今日だ。
なんと、迷子さんになってしまったのだ。
Paddington駅で迷子になったのは仕方ない。右も左もわからないから。
ただ、この博物館では合理的に回ると言ったことが一切通用しない。一つの時代のゾーンが非常に大きく、さらにそのゾーンが多くの部屋によって細分化されている。Cube(http://www.cube-zero.jp/top.html)という映画を観た人は理解がしやすいと思う。映画の解説をすれば、立方体の建物の中に閉じ込められた人が脱出する映画だ。ただ、ルービックキューブが細分化されたような建物なので、自分がどの位置にいるかわからない恐怖があの映画にはあった。
そんな中で、私は今自分がどの位置にいるかわからない現象に何度か見舞われた。普段の自分が聞いたら、愛想を尽かすような事をしている。それほどまでにここはCubeなのだ。

私の友人が言っている事が正しいと思ったのはローマ文明のゾーンに行った時であった。
例えば、一つのモニュメントがある。そこには一つづつ説明がついているのだが、それを20秒間読んだとしよう。するとこの大英博物館を1日では回りきることは不可能に近い。それほどの膨大なモニュメントの数なのだ。よくもまぁこれほどの数を集めたものだ。大英帝国の凄さに圧倒されてしまう。
私は歩くことに関しては相当タフであると自負していたが、中盤でバテてきた。それでもせっかくのチャンスだ。無駄にしてはならない。そう思っていると、面白いことを発見した。

この博物館が無料で入場できることは前に述べた。しかし館内には箱があり、寄付を募っている。£3.00、5.00ユーロ程度を募金してくれ、と書いていたように思う。そこには各国の貨幣の写真が載っていた。何故か日本円だけは1000円だったことは面白かった。しかし、面白い発見はこれではない。
数多くあるモニュメントの前に椅子を置いて絵を描いている人が多くいるのだ。これはおそらく美大の学生や絵描きを趣味としている人が勉強のために彫刻などをモチーフにして練習しているのであろう。無料だからできることである。こうやって身近に歴史的モニュメント・芸術品に触れることができるため、学習意欲が沸く。いつも感覚的に手の届く場所に芸術を触れられるのは幸せなことだ。日本人は芸術などは遠い存在のように思ってしまいがちだが、ヨーロッパの場合は芸術と市民が共生している。感性が研ぎ澄まされるわけである。

足が棒の様になってきた。

それでも踏ん張ってローマゾーンを回り、世界の貨幣、そしてアジアゾーンを回った。
私は初めてミイラを見た。これも”世界ふしぎ発見!”でしか見たことがないような代物だ!
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おっ!モアイもある!
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とりあえず全てのゾーンを見終えて、さきほどの吹き抜けへ出てきた。最初に見た、中心にある謎の建物に入る。
「なんだこれは!」
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映画『インディ=ジョーンズ』に出てくるような図書館である。かなりの重要な書物が保管されているのであろう。その壮大さに圧倒されてしまった。

まだ完全には見きれていないことはわかっている。しかし、そろそろここを後にしなければ、当初のスケジュールをこなせない。
「今は何時だ?」
時間がわからない。私は時計を持ち歩かないのだ。とりあえず外に出て、Tottenham CourtRoad Stationへ向かった。次はトラファルガー広場へ行かねばならぬ。再びTubeに乗ってトラファルガー広場の最寄り駅である、”Charing Cross Station”へ向かった。どう考えても昼の2時を超えている...

P.S. 大英博物館をこれから訪れようと考えておられる方へ... 絶対に辞書を持っていった方がいいです! 必ず重宝します。 説明文は専門用語が多くて日本教育単語ではカバーできません!

To Be Continued...(少しムキになってきた)
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by mau46 | 2005-12-27 02:21 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日~ =番外編=


昨晩は早く寝た事もあって今朝は目覚めが良い...と思ったら、朝の5時である。
モーニングコールは8時に頼んであるので2度寝をするが、あまり寝られない。
中途半端な意識の中で、つけっぱなしだったテレビを見ていると、赤いシャツを着た選手の特集をしている。よく見ればジョージ=ベストではないか!ジョージ=ベストは北アイルランドが産んだサッカー選手で、天才ドリブラーである。酒と女をこよなく愛した、プレイボーイという言葉がふさわしい選手だ。そう言えば、昨晩からニュースで何度もやっていたような... とにかく時差ボケが激しいタチなので昨晩は頭が働いていなかった。今も朦朧としているが、どうやら彼の容態が思わしくないらしい。
私はまたいつもの肝臓の事で、
”今回も手術を行うのかな?”
と聞き流していた。少々尋常でなさそうな雰囲気はあったが、そのまま私は夢の中へ。

Purururururu.............

モーニングコールだ。私はシャワーも浴びずに朝食を食べに地下へ向かった。エレベーターに乗り込むと、ビジネスマンらしい紳士が乗っていた。
「おはよう」
目が合うと、お互い自然に言葉が出る。これも日本にない習慣。いや、できない習慣。
「どこから来たんだい?」
「当ててみな。」
これもいつもの会話。彼は日本人と当ててくれた。
「何しに来たんだい?」
彼が聞く。
「フットボールを見に来たんだよ。」
答える私。
「私は仕事だよ。」
彼もサッカーが好きなのだろう。笑顔で話してくれた。しかしエレベーターはすぐにReceptionの階に着いてしまった。
最後に、
「良い旅を」「そちらこそ。」
やはり最後は握手で彼を送り出した。今日も朝から気持ちが良い。
エレベーターはそのまま地下に降りる。

朝食は普通のコンチネンタルブレックファストだ。要するに、トーストや目玉焼きなどがバイキング形式(必ずしもバイキングでもないが)で設置してある。ほとんどのホテルがこの形式でないだろうか。私は普段朝食をあまり食べられないのだが、今日はとてもよく食べた。これも時差ボケのひとつだろう。たらふく食べた後、部屋に戻りシャワーを浴びた。

昨晩の寒さで懲りたので、厚めに着込み、部屋を出た。ロビーまで降りるとそのままコンシェルジュデスクへ向かった。昨晩はコンシェルジュがいなかったので、今朝相談してから出かけようと思っていた。

ちなみにコンシェルジュとは、ホテルで観光の案内やチケットなどの予約を行ってくれる、いわばホテルの便利屋さん。これから旅をする人はコンシェルジュを利用すると旅の幅が広がるだろう。これもマメ知識。

私は旅に出るときはほとんど事前準備をしない。現地で情報収集するのが常だ。売店でジュースを購入する際に美味しい店を聞いたりする。これの方が手っ取り早いし、現地の生の情報なので信憑性がある。

コンシェルジュデスクにいった。彼はフィリピン系だった。さすがだ。彼は一発で私を日本人と理解していた。以前、フルアムVSボルトン 活劇(http://mau46.exblog.jp/2166154/)のコラムで書いたが彼の妹が日本に住んでいた事もあり、話は沸いた。彼との話がひと段落ついたところで本題に入る。

私は、昨日貰った(勝手に取っていった)ロンドンのマップを見せた。
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ロンドン観光をするにはスケジュール的に今日くらいしかまわれないのだ。まずは大英博物館の場所を聞く。彼は的確にマップに丸を書いてくれて、最寄の駅や行き方などを教えてくれた。続いてトラファルガー広場、London Eye、ビッグベン・Paliament(国会議事堂)、ロンドン橋、バッキンガム宮殿、Harrods、そしてケンジントンパレス。
果たして今日一日でどれほど回れるかはわからなかったが、できるだけ回ってみようと思った。そして、サッカーのチケットを問い合わせたが、扱っていないと言う。代わりにチケットセンターを教えてくれた。
「サッカーが見れるといいな。Good Luck」
再び握手をして、ホテルを後にした。

ホテルから最寄のBayswater Stationへ向かう道のりで、今日のプランを考えた。それは以下の通りだ。

チケットセンター→大英博物館(午前で回る)→トラファルガー広場(2時間程度かな)→ビッグベン・Paliament(1時間程度)→バッキンガム宮殿(1時間程度)→Harrods(2時間程度)→ケンジントンパレス(1時間程度)→ホテルへ

皮算用をしている間にBayswater Stationへ着いてしまった。
チケットセンターに行くと、サッカーのチケットは扱っていないと言う。
”なかなかサッカーのチケットを入手するのは難しいんだなぁ”
そう思いながら、Bayswater Stationを通り過ぎた。

コンシェルジュが言うにはここからTubeに乗るのではなく、少し離れたところにある別の路線のTubeに乗ったほうが大英博物館へ行きやすいのだと言う。その目的地であるQueensway Stationへ向かった。
(画像:利用した駅と、利用しなかったQueensway)
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世の中うまくはいかないものだ。どこをどう探してもQueenswayは見つからない。
”おかしいなぁ”
そう思いながら歩いていると、看板が。
『Queensway Stationは利用できません。』
いつまでかは忘れたが、どうやら来年まで使用できないらしい。なんてことだ。
私は仕方なく、その路線の違う駅を探した。隣の駅はそれほど遠くない、と看板に書いてあったので歩いていった。わりと遠かった。
Nottinghill Gate StationからTubeを利用することにする。そこで私は初めて1Dayチケットを購入した。そこでちょっとしたトラブル。

窓口に買いに行くと、1Dayチケットは、£4~70と書いてある。
「この価格の幅はなんだ???」
私は駅員に聞いた。彼は理解してくれない。私も当然理解できていない。3分ほど互いにボタンの掛け違いのような会話をしていると、彼は言った。
「4 Pounds & 70 Pences!」
「ああ!!!」
わからんよ~。アメリカなら$4.70と書いてくれる。£4~70だと、価格に幅があるのかと思ってしまった。後ろの人ごめんなさい。並んでいる人に謝って、私はTubeに乗り込んだ。
(画像:Tubeのチケット。これは1Dayチケット)
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この路線はCentral Lineで、大英博物館の最寄り駅である、Tottenham CourtRoad Stationへはダイレクトで通じている。到着してガイダンスに従いながら地上に上がると、目の前に突然Freddie Mercury(フレディ=マーキュリー)のモニュメントが現れた。
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私はQueenファンであるので驚いたが、どうやらQueenのミュージカルを行っているのであろう。たまに振り返りながら、そこを後にした。ミュージカルを理解する脳は持ち合わせていないが、フレディには興味をそそられた。

そもそも大英博物館にはさほど興味がなかった。しかし、ロンドンへ旅立つ前に友人と電話をした時に聞かされた、
「一日では回りきられへんで」
その言葉に興味を惹かれたのである。
”一日で回りきれないとは、いかほどのものか...”
百聞は一見にしかず(死語??)というわけで、行ってみることにした。

道に書いてあるガイダンスにしたがって歩いて行く。途中Raddison(超1流ホテル)がある。それを通り過ぎると、柵が見えた。どうやらこれが大英博物館である。
「どんなもんかなぁ~?」
入り口まで行って、口を閉じることができなかった。これがワールドクラス...
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門構えで圧倒されてしまった。

私は今日組み立てたプランを実行できるのであろうか....

To be continued...(これしつこい??)
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by mau46 | 2005-12-15 19:34 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~24日後半~ =番外編=


困ってしまった。一応ホテルへの道順はメモって来たのだが、肝心の通りがわからない。London Streetを探すも、Paddington Stationが予想以上に大きかったため、どの出口から出ればいいのかわからないのだ。
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とりあえず適当に出てみた。やはり完全に日は落ちている。目の前にはロンドン名物の2階建てバスが走っているのだが、大切なのは自分の目的地に向かうこと。
とりあえず、道を歩いている人をつかまえてみた。アフリカ系の女性だった。彼女にLondon Streetを探していることを告げると非常に丁寧に教えてくれた。彼女もそちらの方へ向かうので途中まで一緒に歩いた。
「ここがLondon Streetよ」
彼女が指差してくれた。
「良い旅をね」
彼女と握手をして別れた。ロンドンに来ていきなり気分が良くなった。しかしLondon Streetを真っ直ぐ歩いても次のStreetが出てこない。暗くてよくわからないのだ。ヘンに歩き回ってPaddington Stationに戻れなくなるとまずい。私は駅へ引き返すことにした。
そこでInformationを探してホテルまでの道のりを尋ねた。
「そこの出口を行くと、Cab(タクシー)がある。そこから乗ると良い。大体1マイルほどだろう。」
との事。
「そんな案内あるかい!わしゃ歩いて行きたいんや!」
と心で叫んでみたが、外は暗く、確かにCabの方が安全と思った。
私は素直にCabの乗り場へ行き、順番を待っていた。私の番が来て目の前にCabが停まった。乗り込む前にひと交渉。
「このホテルの場所わかる?」
と私。
「わかる」
兄ちゃんは答える。
「インフォメーションでここから1マイルくらいと聞いたけど、幾らくらいでいける?」
これは乗る前に聞いておかなければならない。
「道の状況にもよるが、大体£6.00だろう」
おおまかな価格を先に聞いておけば、あまり間違いはおこらないだろう。私はそのままCabに乗り込んだ。

「どこから来たんだ? Koreaか?」
彼が聞いてきた。
「当ててみな」
私は欧米で出身を聞かれると、いつもそう聞き返す。
「Chineseか?」
「違うな」
「Japanか!」
「ご名答」
どうやら私の英語はイングランドでも通じるみたいだ。実は少々不安があった。留学時代の台湾の友人がロンドンに遊びに行き、さっぱり言っている事がわからなくてショックを受けたと言っていた。その友人は私より数段英語のできる子だっただけに不安があった。運転手の兄ちゃんからは、英語を話せることに対する一応のリップサービスをもらった。そのお褒めをいただいている間にホテルへ着いた。
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「ここだよ」
料金メーターを見ると£3.80だった。彼の予想より安かった。私は彼に£2.00のチップを加えて支払った。

なんとか無事にホテルへ着くことができた。そのままチェックインをしにReception(日本で言うフロント)へ行った。
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アジア系の客はいないみたいだ。好都合だった。
”まるっきり外国語の中で時間がすごせる”
そう思った。右を見ればコンシェルジュデスクもある。旅の相談もできるであろう。
とりあえず、名前を告げて予約を確認した。無事に取れている。チェックインを行う前に私が持っている予約確認書を見せて、宿泊料金の確認を行った。すべての手続きが済んだ後だと何も言えないからである。予約どおりの価格で問題なかった。私はデポジットにクレジットカードを出し、サインした。

日本ではデポジットと言った習慣はないが、海外ではホテルやレンタカーなどを利用する際にはデポジットを要求される。それは保証金のようなもので、万が一のためにお店側が先にお金をプールしておくのだ。もちろんそれは宿泊終了後、もしくはレンタカー返却後には返還される。日本では現金は優遇されるが、海外ではクレジットカードの方が信頼がある。アメリカではクレジットカードがなければホテルも泊まりにくいし、レンタカーもできない。これは、これから海外に旅したい人のためのマメ知識。

チェックインが完了すると、封筒を手渡された。サッカーのチケットだろう。これでまたひとつ安心した。

ホテルの鍵を渡され部屋に行く。予想以上に狭かった...
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とりあえず無事にホテルへ着いた旨を日本に連絡する。コンシェルジュデスクで地図を取ってきたのでそれを広げると、ここから少しTubeに乗ればシャーロック=ホームズのいた(?)Baker Streetがある。非常に興味がそそられたので行ってみることにした。

再度Receptionに行き、最寄の駅を尋ねる。Paddingtonはどう考えても遠すぎる。するとBayswater Stationが最寄りだと言う。外は寒い。十分な寒さ対策をしてホテルを後にした。ホテルで教えてもらったとおりの道を行くと、なるほど、Bayswaterまでは10分くらいで到着した。そこでTubeをチケットを購入する。初めての購入だ。先ほどはヒースロー空港のインフォメーションで購入したので、実際に自動券売機で購入するのとは違う。

Tubeの料金は非常にわかりやすい。ロンドンの街の中心からコンパスで丸を描く。その円がZone1、もう一回り大きな円を描く。それがZone2。そうやってエリアを決定していく。Zone1内を移動するなら£2.00、遠いZoneに移動すればそれに比例して運賃が高くなる仕組みだ。よって日本の様に駅ごとに運賃が決まっていない。また、1Dayチケットもあり、私が主に利用したのはZone1~Zone2を乗り放題で£4.70だ。これは非常に便利である。これもロンドンマメ知識。
(画像:Tubeの路線図。見難いかもしれませんが、利用した駅は赤で囲ってあります)
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BakerStreetまでは3駅で行ける。あっと言う間に着いてしまった。BakerStreetはなんとも味のある駅である。
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駅の地図を見てシャーロック=ホームズ博物館の位置を確認。地上に出て歩いていった。5分もかからない。あっけないほど簡単に着いてしまった。

しかし暗い... どう見ても閉まっている。そうか、もう20:00くらいである。
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閉まっているわけだ。少し途方にくれていると、私と同じように途方にくれている女の子がいた。同じ心境の仲間なので、彼女のカメラで彼女と博物館を撮ってあげた。雰囲気的には北欧系かな。彼女はお礼を言い、少し寂しそうに去っていった。
「僕も帰ろうかな」
私にはもうひとつ楽しみがあった。ロンドンのPubに行ってみたかったのだ。Bayswater付近でPubを見つけていたので、そこに行こう。再びTubeに乗って戻ることにした。

Bayswater Stationの周りにはたくさんの店がある。おみやげ屋さんもあれば、レストランもある。目星をつけていたPubに入ると、ラッキーにも席が空いていた。
「ここに座って食事をしてもいい?」
店員の女の子に聞くと、テーブルを片付けてくれた。

しばらく待っていると、彼女がオーダーを取りにきた。
「どこから来たの?」
彼女は聞く。
「当ててみな」
いつもの質問だ。
「Chinese?」
と聞かれたので、
「日本だよ。さっき着いたんよ。」
と答えると、
「ホンマに??」
驚かれてしまった。
「とりあえず、伝統的なイングランドの食事をしたいな。あと、ビールも。」
と尋ねると、
「やっぱりFish&Chipsかな。」
でも、ちょっとベタすぎるから、他のオススメを聞いてみた。
「なら、Mash&Sausageかな。これならビールにもよく合うよ!」
彼女は隣のテーブルを指差した。そこにはおばちゃん連中が4人それを食べていた。私はそれを頼むことにした。どんなのかはよくわからなかったが、マッシュポテトとソーセージの料理らしい。

欧米に行って素晴らしいと思うのが、彼らは老若男女問わず同じお店に行く。日本では、若者と年配は別のコミュニティを形成するが、彼らはそういった垣根がない。互いにリスペクトしているのだ。日本ではそれが不可能である。年功序列なる、くだらない制度があるからだ。それが垣根を作っている。リスペクトはカタチで表すものでなく、心で表すものである。制度としては必要ない!

そうこう考えている間に彼女が持ってきた。驚いた。お皿の真ん中にマッシュポテトがドン!とのってあり、そのポテトに太いソーセージが2本並べてのってある。そのポテトの周りをソースがかかっており、シンプルと言うか、大雑把と言うか。
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味は... ソースの味が薄くてあまり良くわからない。ちょっと全体的に胃にズシンをくるような重さがある。そこまで腹ペコではなかったので、すべてを食べ切れる自信がなかった。でも、確かにビールにはよく合う!ビールは美味しかった。

「美味しい?」

彼女が顔を覗き込んでくるので、日英友好のために、”Yummy!(美味い)”と伝えておいた。

実はその時、日本ではもう朝方である。私はあまり飛行機で寝れないタチなので、強烈な睡魔と闘っていた。
「時差ぼけで眠くて。僕にはお腹いっぱいやわ。ごめんね。」
そう彼女に言うと、
「いいよ!また来てね♪」
と機嫌良く言ってくれたので、店を後にした。

何度か道を間違えながらホテルにたどり着き、部屋へ戻った。

サッカーの試合は明後日である。
「明日はロンドンのどこを歩き回るかな。そうそう、コンシェルジュに相談しよ......ZZZ」

私はシャワーも浴びずに寝てしまった。

To Be Continued to 25th...
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by mau46 | 2005-12-14 20:48 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~24日~ =番外編=

昼の12時からのフライトのため、やや早めに家を出る。
しかし朝の8時は早すぎだろう。まぁいいか。

JR高槻駅まで行き、茨木駅まで向かった。そこから空港リムジンが出ているからだ。
空港リムジンの乗り場まで行き、そこのおっちゃんに声をかける。おっちゃん曰く、道路が非常に混んでいてバスがいつ着くかわからないし、出発しても関空にいつ着くかわからないと。

私はその場の判断で電車で行くことに決めた。茨木駅から大阪駅に向かい、そこから関空快速に乗った。およそ1時間くらいで関空に到着。10時過ぎに関空へ入ることができた。

私はそのままJALのカウンターに行き、チェックインをする。グラウンドホステス(この言葉はもうタブー??)に席の注文をする。私は先日電話予約で非常口前を座席を確保してもらったのだが、3人がけの席の真ん中だった。長時間のフライトだと真ん中は疲れる。だから通路側の座席は空いていないか尋ねた。すると取ることができると言うのでお願いした。

荷物と言えば、非常に簡単である。飛行機へ手荷物として持って入れるサイズのキャリーバッグ(通称:コロコロ)だけだ。私の旅はあまり荷物を持たない。お土産も買わない、貰わない。そもそも私は人からお土産を貰うよりは、そこでの話を聞く方がよっぽど好きである。自分からリクエストしたり、よっぽどの私の好みのものでなければ、私の友達もお土産を買ってこない。正直言って、お土産といっても大体どのようなものか想像できる。と言うのは、それほど驚くほど珍しい国に行く人はあまりいないだろう。だから一度は聞いたことのあるお土産が多くなるのである。だからお土産を買うような無駄な時間があるなら、たくさんその国のことを見てきて、その人の視点で私にたくさん話してもらいたいと思う。私もよっぽどの思い入れがなければ、お土産を探すような無駄な時間を浪費するより、多くのものを見たいと思う。(←これで私のファンがたくさん減った)

私はスタスタとイミグレーションに向かい、手早く出国を済ませた。モノレールに乗り搭乗口付近まで行き、タバコを購入した。海外では大概タバコは高い。空港で買っておくのが賢明である。そしてサクララウンジで出発までの時間を過ごした。ドメスティックと違い、インターナショナルはラウンジ内でタバコを吸えるのがいい。午前からビールを飲みながら優雅なひと時を過ごす。

しばらくすると呼び出しがあり、搭乗口に向かった。やっと出発である。しかし非常口前なので楽に過ごす事はできた。前に座席がないから長い脚を思いっきり伸ばす事ができるからだ。隣のイングランド人と話しながら飛行機はロンドンヒースロー空港へ向かっている。

「フットボールを見に行くなら、フーリガンに気をつけろよ」
「俺はロンドン出身だが、マンチェスターユナイテッドのファンだ」

そんな会話が繰り広げられたと思う。
大して飛行機は揺れることもなく、無事にヒースローに到着した。
ロンドンへの旅は初めてだったので何もわからなかったが、隣の席のお兄ちゃんに私が滞在するホテルの最寄り駅の行き方をある程度聞いておいた。ヒースローからおよそ1時間半くらいだと言う。飛行機が滑走路にランディングする時、外を見るともう暗かった。

荷物が少ないので私の到着後の行動は早い。そそくさとイミグレーションまで行くと並んでいるのはまばらだった。私の前の日本人が声を掛けてきた。彼はイギリスの大学院をまわるのだと言う。このまま入国しヒースローからエジンバラへ乗り継ぐらしい。入国も問題なく済ませ両替へ向かった。とりあえず$300でPound(なぜ日本ではポンドと発音させるのか理解し難い!どんな耳をしているのだ!)を購入した。

私はTube(ロンドンの地下鉄をそう呼ぶ)に向かった。とりあえずわからないのでTubeのインフォメーションに行き、目的地までの乗り継ぎ方とチケット、そしてマップを貰った。Tubeに乗り込むと意外な小ささに驚かされた。日本の地下鉄に比べると2まわりくらい小さいのだ。おとなしく座っていると、原色ばかりのコーディネートをした人が乗り込んでいた。嫌な予感はしたがそれは的中した。彼は電車で演説を始めた。
「ジーザス=クライストがどうのこうの」
「我々はジーザス=クライストの子でどうのこうの」
ああ・・うっとおしい。
”あなたの愛するジーザス=クライストは地下鉄内でわめき散らして迷惑をかけることを許してくれるのかい??”
と心の中でつぶやきながら、乗り換えのために電車を降りた。

その後、目的のPaddington駅に到着した私は、寒さに凍えながら路頭に迷ってしまう。
”はっはぁ~ん、俺は迷子やな”

果たして私は無事にホテルへ到着することができるのであろうか・・・・

To be continued...(もう誰も愛さない)
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by mau46 | 2005-12-06 12:07 | ロンドン旅日記


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