あの月に向かって打て



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旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日大英博物館編~ =番外編=



私は大英博物館の前にいる。
「これがうわさに聞く...」
そうつぶやきながら入り口に向かった。
前編の画像でもわかるように、大きな柱がある。いったいどれくらいの大きさか。私が抱きついても手が回らない。そう考えるといかに一つ一つのパーツが大きいかわかってもらえることができるか。できないか...

そんなことを思いながらゲートをくぐり、財布の用意をした。
「なんぼかなぁ~。安かったらいいのになぁ~♪」
なんて思いながら歩いていると、知らない間に博物館の中へ入ってしまっている。
「???」
そうなのだ。大英博物館は入場料は取らない。無料なのだ。
素晴らしいことである。日本では考えられない事だ。
感心しながら、進むと中が開けてきた。
「あっ!」
博物館の中は吹き抜けになっている。
入り口から入ると、中はまるで中庭のように広がっており、中心に建物がある。そう、建物の中に建物があるのだ。何の建物かはまだわからない。後々訪ねてみよう。
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私はそのまま向かって左側の入り口から入ってみることにした。
おっと、その前に館内のマップを貰っておかなければならない。そうでないと迷子になってしまう。
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私はマップを案内で貰い、左側から入っていった。


入ると早速の人だかり。
「ん?なになに?」
人を掻き分けてみれば、ショーケースに飾られた石があった。
「これがロゼッタストーン!」
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何度か”世界ふしぎ発見!”で見たことがある。ナポレオンが発見したことは説明文を見てわかった。
そこで私が気づいた事がある。それは以下のことだ。

「世界史を勉強しておけばよかった!」

これに尽きる。私は学生時代に日本史を学んだ。日本史が好きだったこともあるが、もっと世界史に触れる機会を持っておけば良かったと思う。
そんな私でも弟に高校用世界史の教科書を借りて読んだ事がある。

「なんてつまらん本だ!」

心からそう思った。はっきり言って、日本の歴史の授業はカスである。いや、歴史の授業だけでないか....
歴史好きの私から言わせてもらえれば、歴史とは年号・年表の暗記ではなく、”物語”なのである。複雑な因果関係が絡み合って出来事が起こる。
それは今の時代も同じで、古くから歴史がそれを我々に伝えてきたのである。その”物語”をおもしろおかしく伝えることのできない教育の未熟な者が、年号・年表の丸覚えのような”歴史教育”を作り上げたのである。結果論だけ述べられる小説など読んでも楽しくないでしょう?大切なのはプロセスなのである。やはり受験と言うのは”悪”だな。
話が感情的にそれてしまった。申し訳ない。どうも教育問題になると感情的になってしまう。
よって私は、教科書からの世界史の勉強はする気が無くなった。
私が世界史を学ぶ方法は”世界ふしぎ発見!”しかないのだ。

ただ、ここでは世界史を知らない私でも圧倒されるほどの迫力がある。
世界をカタチづくってきたモノには、なにかしらのスケールがあるものだ。崇高な何かが...
私の目の前にあるモノは、はるか数千年前から世界を見続けてきた”何か”なのである。
たとえそれがモノとはいえ、私は敬意を払わずにはいられなかった。
そのまま横を振り返ると、もうひとつ驚かされた。
モニュメント(展示品という意味で使っています)がそのまま無造作に置かれているのだ。
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以前、私は”ファンとの距離(http://mau46.exblog.jp/m2005-11-01/#1764404)”というコラムで、”自己責任”を述べた。それはオランダの運河に柵がない事に通ずる。モニュメントに柵が無いのだ。さすがに、触ると崩れてしまうものにはガードがしてある。と言ってもそれは前面だけにアクリルの板があるだけで、手を回せば簡単に触れることができるのだ。日本では、必ず柵を張り巡らせ一定の距離を保つようにモニュメントから突き放される。サッカーで言えば、サッカー専用スタジアムと陸上競技場との違いのようだ。距離を感じるとモニュメントに感情移入できない。ひょっとすると、それが日本人の好きな、人と人との心の距離なのかもしれないが...
しかし簡単に手を触れる人は、私が見た限りはいなかった。と言うよりも簡単に触れないのだ。触れない雰囲気がある。
”もし自分が触れて壊しでもしたら、歴史を壊してしまうような感じになる”
そんな想いでいると、とたんにとなりのおっさんが堂々と石棺を触りだした。
某アジアの人だ。あえて伏せておく。察するのは簡単だと思うが...
係員の人に注意されていた。なんとも情けない。

”触るなら控えめにそっと触ればいいのに”

なんて思いながら歩いていた。
私は今、エジプト・ギリシャ文明のゾーンにいる。しかも入ってすぐのところだ。入ってすぐのところで、これほど多くの事を感じてしまっている。
そうだ、私は時間を忘れていた。

私はおもむろに歩き始めた。しかし感動と関心が私の歩みを遅らせる。歴史の目撃者たちが簡単に素通りさせてはくれないのだ。なまじ世界史を知らないだけに、一つ一つを丁寧に見ようとしてしまう。
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私の性格は合理性を求める性格だ。例えば百貨店に行く時は、まずエスカレーターで上まで登る。その際に、何階に何があるかの最低限の情報は頭に入れておく。そして、下りながら各階を回りながら帰る。無駄な動きをしたくないのだ。同じ場所を行ったり来たりなどもってのほかである。そのように行う事に努めてきたし、それがベストだと思ってきた。
その考えが崩れ去る時がきた。今日だ。
なんと、迷子さんになってしまったのだ。
Paddington駅で迷子になったのは仕方ない。右も左もわからないから。
ただ、この博物館では合理的に回ると言ったことが一切通用しない。一つの時代のゾーンが非常に大きく、さらにそのゾーンが多くの部屋によって細分化されている。Cube(http://www.cube-zero.jp/top.html)という映画を観た人は理解がしやすいと思う。映画の解説をすれば、立方体の建物の中に閉じ込められた人が脱出する映画だ。ただ、ルービックキューブが細分化されたような建物なので、自分がどの位置にいるかわからない恐怖があの映画にはあった。
そんな中で、私は今自分がどの位置にいるかわからない現象に何度か見舞われた。普段の自分が聞いたら、愛想を尽かすような事をしている。それほどまでにここはCubeなのだ。

私の友人が言っている事が正しいと思ったのはローマ文明のゾーンに行った時であった。
例えば、一つのモニュメントがある。そこには一つづつ説明がついているのだが、それを20秒間読んだとしよう。するとこの大英博物館を1日では回りきることは不可能に近い。それほどの膨大なモニュメントの数なのだ。よくもまぁこれほどの数を集めたものだ。大英帝国の凄さに圧倒されてしまう。
私は歩くことに関しては相当タフであると自負していたが、中盤でバテてきた。それでもせっかくのチャンスだ。無駄にしてはならない。そう思っていると、面白いことを発見した。

この博物館が無料で入場できることは前に述べた。しかし館内には箱があり、寄付を募っている。£3.00、5.00ユーロ程度を募金してくれ、と書いていたように思う。そこには各国の貨幣の写真が載っていた。何故か日本円だけは1000円だったことは面白かった。しかし、面白い発見はこれではない。
数多くあるモニュメントの前に椅子を置いて絵を描いている人が多くいるのだ。これはおそらく美大の学生や絵描きを趣味としている人が勉強のために彫刻などをモチーフにして練習しているのであろう。無料だからできることである。こうやって身近に歴史的モニュメント・芸術品に触れることができるため、学習意欲が沸く。いつも感覚的に手の届く場所に芸術を触れられるのは幸せなことだ。日本人は芸術などは遠い存在のように思ってしまいがちだが、ヨーロッパの場合は芸術と市民が共生している。感性が研ぎ澄まされるわけである。

足が棒の様になってきた。

それでも踏ん張ってローマゾーンを回り、世界の貨幣、そしてアジアゾーンを回った。
私は初めてミイラを見た。これも”世界ふしぎ発見!”でしか見たことがないような代物だ!
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おっ!モアイもある!
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とりあえず全てのゾーンを見終えて、さきほどの吹き抜けへ出てきた。最初に見た、中心にある謎の建物に入る。
「なんだこれは!」
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映画『インディ=ジョーンズ』に出てくるような図書館である。かなりの重要な書物が保管されているのであろう。その壮大さに圧倒されてしまった。

まだ完全には見きれていないことはわかっている。しかし、そろそろここを後にしなければ、当初のスケジュールをこなせない。
「今は何時だ?」
時間がわからない。私は時計を持ち歩かないのだ。とりあえず外に出て、Tottenham CourtRoad Stationへ向かった。次はトラファルガー広場へ行かねばならぬ。再びTubeに乗ってトラファルガー広場の最寄り駅である、”Charing Cross Station”へ向かった。どう考えても昼の2時を超えている...

P.S. 大英博物館をこれから訪れようと考えておられる方へ... 絶対に辞書を持っていった方がいいです! 必ず重宝します。 説明文は専門用語が多くて日本教育単語ではカバーできません!

To Be Continued...(少しムキになってきた)
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by mau46 | 2005-12-27 02:21 | ロンドン旅日記

レクイエム


偉大な人が背中を向けて去っていった。
仰木彬監督である。

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よくニュースでは、10・19がとりだたされる。
確かにあれは辛い思いで見ていたおぼえがある。
なぜ、あのタイミングでロッテの有藤は抗議をしたのか?? 未だに疑問に思うシーンだった。そして虚無感に包まれた中の12回裏の守備。それでも手を抜くことなく、守りきった近鉄バファローズは美しかった。

しかし、実は私は翌年の方が記憶にある。その年のバファローズは復讐の鬼と化していた。しかし絶対王者の西武も一歩も引き下がらない。そんな中で迎えた最終戦。所沢に舞い降りた褐色の悪魔が西武優勝の夢を打ち砕く。ラルフ=ブライアントは、ダブルヘッダー(1日に2試合行う事)で4打席連続ホームランを見舞うのである。あの時の打たれた渡辺久信の顔は印象深い。劇的な優勝を収め、仰木監督が宙を舞う時、誰しもが祝福の喝采を送ったことだろう。阪神ファンの私も心から喜んだ。

ところがその感動はすぐに打ち砕かれる。その後の日本シリーズで誰もが予想しない開幕3連勝で、近鉄は最高のスタートを切る。相手は知将藤田元治監督率いる巨人だ。事件は東京ドームだった。3連勝を果たしたヒーローインタビューで、近鉄の投手である加藤哲郎が、
”巨人はロッテよりも弱い”
発言をしてしまう。
これにより発奮した巨人は奇跡の4連勝で日本一を勝ち取るのだ。これは余談だったが...

仰木監督は選手の個性を大切にする。野茂のトルネードや鈴木一朗(イチロー)の振り子打法などだ。特に鈴木一朗の振り子打法は、仰木監督がオリックスの監督に就任する前の監督である土井正三が鈴木一朗のフォームを見て、修正(聞こえはいいが振り子打法をやめさせる)を命じた。それに従わない鈴木一朗は2軍での生活を余儀なくされたように思う。仰木監督が就任し、名前を鈴木一朗からイチローに替え、イチローに手を差し伸べなければイチローはどうなっていたのであろうか。
面白いのは、イチローのプロ初ホームランは、また仰木監督の愛弟子である野茂からなのである。
仰木監督はカタチにこだわらない、日本人には稀有の存在であったように思える。

阪神大震災があった。関西に住む人は誰しも憶えている事だろう。当時の首都の反応には怒りをもったものだ。村山首相の初動の遅さ、他国からの援助を拒否、マスコミはすぐに”もし首都に地震があったら??”のありがたいシミュレーション。
「どれほど被災者の心を踏みにじれば気が済むのだろう」
と思っていた。さらに頭にきたのは、貴乃花がその年の場所で優勝したおりに、
「この優勝を神戸の皆さんに捧げます」
と言った。全く被災者が喜ばない、彼の偽善的な発言にブーイングも少なくなかった。

そんな中で仰木監督は、
『がんばれKOBE』
でなく、
『がんばろうKOBE』
と言った。これには誰もが心を打たれたと思う。
そして優勝。その年は日本シリーズを逃したものの、翌年には日本一を勝ち取る。それがどれほど被災者の心を明るくしたことか。正直言って、優勝を狙えるほどのタレントは揃っていなかったと思う。しかしプラスアルファがどこからか降りてきたのだ。野球は、スポーツはわからない。

2004年、プロ野球に激震が走る。近鉄バファローズがオリックスに吸収されてしまう。
そんな中、このチームをまとめられる人間はこの世でたった一人しかいなかった。仰木監督は既に病であることを知っていたと言う。
仰木監督は最後の死に場所を求めて決戦の場へ向かっていったのだ。勝てるはずも無い戦力で。圧倒的なホークス、ライオンズ、マリーンズ(開幕当初はそれほどでもなかったか)に立ち向かうのは誰もが不可能に見えた。
そんな中で仰木監督はプレーオフに参加条件の3位争いを演じて見せるのだ。
まるでその姿はあえて死地に乗り込んでいく、その姿はあたかも戦後武将の真田幸村のようである。ライオンズの旗は一度は地に落ちたものの、最後は地力に勝るライオンズに寄り切られた。その巨大な敵に立ち向かう姿には誰もが感銘を受けたことであろう。

シーズンが終わり、仰木監督は勇退を発表する。戦い続けた武将の顔は少し痩せて見えた。

12月15日、仰木監督(あえて呼ぶ)は永遠の野球人になった。
バラバラだったであろうオリックスバファローズをひとつにまとめる大役を終えて。
仰木監督はチームの光り輝く将来を指差したまま、前に向かって倒れていったのだ。

次は選手が答えを出す番である。

さらに言わせて貰えば、清原はこれでオリックスに入団しなければ、さらに男を下げることになる。

私もいずれは仰木監督の住む世界に行くだろう。その時には是非、一緒に一杯飲みたいものだ。
いいですよね?しばらく待っててください。
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by mau46 | 2005-12-16 21:32 | スポーツ

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~25日~ =番外編=


昨晩は早く寝た事もあって今朝は目覚めが良い...と思ったら、朝の5時である。
モーニングコールは8時に頼んであるので2度寝をするが、あまり寝られない。
中途半端な意識の中で、つけっぱなしだったテレビを見ていると、赤いシャツを着た選手の特集をしている。よく見ればジョージ=ベストではないか!ジョージ=ベストは北アイルランドが産んだサッカー選手で、天才ドリブラーである。酒と女をこよなく愛した、プレイボーイという言葉がふさわしい選手だ。そう言えば、昨晩からニュースで何度もやっていたような... とにかく時差ボケが激しいタチなので昨晩は頭が働いていなかった。今も朦朧としているが、どうやら彼の容態が思わしくないらしい。
私はまたいつもの肝臓の事で、
”今回も手術を行うのかな?”
と聞き流していた。少々尋常でなさそうな雰囲気はあったが、そのまま私は夢の中へ。

Purururururu.............

モーニングコールだ。私はシャワーも浴びずに朝食を食べに地下へ向かった。エレベーターに乗り込むと、ビジネスマンらしい紳士が乗っていた。
「おはよう」
目が合うと、お互い自然に言葉が出る。これも日本にない習慣。いや、できない習慣。
「どこから来たんだい?」
「当ててみな。」
これもいつもの会話。彼は日本人と当ててくれた。
「何しに来たんだい?」
彼が聞く。
「フットボールを見に来たんだよ。」
答える私。
「私は仕事だよ。」
彼もサッカーが好きなのだろう。笑顔で話してくれた。しかしエレベーターはすぐにReceptionの階に着いてしまった。
最後に、
「良い旅を」「そちらこそ。」
やはり最後は握手で彼を送り出した。今日も朝から気持ちが良い。
エレベーターはそのまま地下に降りる。

朝食は普通のコンチネンタルブレックファストだ。要するに、トーストや目玉焼きなどがバイキング形式(必ずしもバイキングでもないが)で設置してある。ほとんどのホテルがこの形式でないだろうか。私は普段朝食をあまり食べられないのだが、今日はとてもよく食べた。これも時差ボケのひとつだろう。たらふく食べた後、部屋に戻りシャワーを浴びた。

昨晩の寒さで懲りたので、厚めに着込み、部屋を出た。ロビーまで降りるとそのままコンシェルジュデスクへ向かった。昨晩はコンシェルジュがいなかったので、今朝相談してから出かけようと思っていた。

ちなみにコンシェルジュとは、ホテルで観光の案内やチケットなどの予約を行ってくれる、いわばホテルの便利屋さん。これから旅をする人はコンシェルジュを利用すると旅の幅が広がるだろう。これもマメ知識。

私は旅に出るときはほとんど事前準備をしない。現地で情報収集するのが常だ。売店でジュースを購入する際に美味しい店を聞いたりする。これの方が手っ取り早いし、現地の生の情報なので信憑性がある。

コンシェルジュデスクにいった。彼はフィリピン系だった。さすがだ。彼は一発で私を日本人と理解していた。以前、フルアムVSボルトン 活劇(http://mau46.exblog.jp/2166154/)のコラムで書いたが彼の妹が日本に住んでいた事もあり、話は沸いた。彼との話がひと段落ついたところで本題に入る。

私は、昨日貰った(勝手に取っていった)ロンドンのマップを見せた。
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ロンドン観光をするにはスケジュール的に今日くらいしかまわれないのだ。まずは大英博物館の場所を聞く。彼は的確にマップに丸を書いてくれて、最寄の駅や行き方などを教えてくれた。続いてトラファルガー広場、London Eye、ビッグベン・Paliament(国会議事堂)、ロンドン橋、バッキンガム宮殿、Harrods、そしてケンジントンパレス。
果たして今日一日でどれほど回れるかはわからなかったが、できるだけ回ってみようと思った。そして、サッカーのチケットを問い合わせたが、扱っていないと言う。代わりにチケットセンターを教えてくれた。
「サッカーが見れるといいな。Good Luck」
再び握手をして、ホテルを後にした。

ホテルから最寄のBayswater Stationへ向かう道のりで、今日のプランを考えた。それは以下の通りだ。

チケットセンター→大英博物館(午前で回る)→トラファルガー広場(2時間程度かな)→ビッグベン・Paliament(1時間程度)→バッキンガム宮殿(1時間程度)→Harrods(2時間程度)→ケンジントンパレス(1時間程度)→ホテルへ

皮算用をしている間にBayswater Stationへ着いてしまった。
チケットセンターに行くと、サッカーのチケットは扱っていないと言う。
”なかなかサッカーのチケットを入手するのは難しいんだなぁ”
そう思いながら、Bayswater Stationを通り過ぎた。

コンシェルジュが言うにはここからTubeに乗るのではなく、少し離れたところにある別の路線のTubeに乗ったほうが大英博物館へ行きやすいのだと言う。その目的地であるQueensway Stationへ向かった。
(画像:利用した駅と、利用しなかったQueensway)
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世の中うまくはいかないものだ。どこをどう探してもQueenswayは見つからない。
”おかしいなぁ”
そう思いながら歩いていると、看板が。
『Queensway Stationは利用できません。』
いつまでかは忘れたが、どうやら来年まで使用できないらしい。なんてことだ。
私は仕方なく、その路線の違う駅を探した。隣の駅はそれほど遠くない、と看板に書いてあったので歩いていった。わりと遠かった。
Nottinghill Gate StationからTubeを利用することにする。そこで私は初めて1Dayチケットを購入した。そこでちょっとしたトラブル。

窓口に買いに行くと、1Dayチケットは、£4~70と書いてある。
「この価格の幅はなんだ???」
私は駅員に聞いた。彼は理解してくれない。私も当然理解できていない。3分ほど互いにボタンの掛け違いのような会話をしていると、彼は言った。
「4 Pounds & 70 Pences!」
「ああ!!!」
わからんよ~。アメリカなら$4.70と書いてくれる。£4~70だと、価格に幅があるのかと思ってしまった。後ろの人ごめんなさい。並んでいる人に謝って、私はTubeに乗り込んだ。
(画像:Tubeのチケット。これは1Dayチケット)
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この路線はCentral Lineで、大英博物館の最寄り駅である、Tottenham CourtRoad Stationへはダイレクトで通じている。到着してガイダンスに従いながら地上に上がると、目の前に突然Freddie Mercury(フレディ=マーキュリー)のモニュメントが現れた。
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私はQueenファンであるので驚いたが、どうやらQueenのミュージカルを行っているのであろう。たまに振り返りながら、そこを後にした。ミュージカルを理解する脳は持ち合わせていないが、フレディには興味をそそられた。

そもそも大英博物館にはさほど興味がなかった。しかし、ロンドンへ旅立つ前に友人と電話をした時に聞かされた、
「一日では回りきられへんで」
その言葉に興味を惹かれたのである。
”一日で回りきれないとは、いかほどのものか...”
百聞は一見にしかず(死語??)というわけで、行ってみることにした。

道に書いてあるガイダンスにしたがって歩いて行く。途中Raddison(超1流ホテル)がある。それを通り過ぎると、柵が見えた。どうやらこれが大英博物館である。
「どんなもんかなぁ~?」
入り口まで行って、口を閉じることができなかった。これがワールドクラス...
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門構えで圧倒されてしまった。

私は今日組み立てたプランを実行できるのであろうか....

To be continued...(これしつこい??)
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by mau46 | 2005-12-15 19:34 | ロンドン旅日記

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~24日後半~ =番外編=


困ってしまった。一応ホテルへの道順はメモって来たのだが、肝心の通りがわからない。London Streetを探すも、Paddington Stationが予想以上に大きかったため、どの出口から出ればいいのかわからないのだ。
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とりあえず適当に出てみた。やはり完全に日は落ちている。目の前にはロンドン名物の2階建てバスが走っているのだが、大切なのは自分の目的地に向かうこと。
とりあえず、道を歩いている人をつかまえてみた。アフリカ系の女性だった。彼女にLondon Streetを探していることを告げると非常に丁寧に教えてくれた。彼女もそちらの方へ向かうので途中まで一緒に歩いた。
「ここがLondon Streetよ」
彼女が指差してくれた。
「良い旅をね」
彼女と握手をして別れた。ロンドンに来ていきなり気分が良くなった。しかしLondon Streetを真っ直ぐ歩いても次のStreetが出てこない。暗くてよくわからないのだ。ヘンに歩き回ってPaddington Stationに戻れなくなるとまずい。私は駅へ引き返すことにした。
そこでInformationを探してホテルまでの道のりを尋ねた。
「そこの出口を行くと、Cab(タクシー)がある。そこから乗ると良い。大体1マイルほどだろう。」
との事。
「そんな案内あるかい!わしゃ歩いて行きたいんや!」
と心で叫んでみたが、外は暗く、確かにCabの方が安全と思った。
私は素直にCabの乗り場へ行き、順番を待っていた。私の番が来て目の前にCabが停まった。乗り込む前にひと交渉。
「このホテルの場所わかる?」
と私。
「わかる」
兄ちゃんは答える。
「インフォメーションでここから1マイルくらいと聞いたけど、幾らくらいでいける?」
これは乗る前に聞いておかなければならない。
「道の状況にもよるが、大体£6.00だろう」
おおまかな価格を先に聞いておけば、あまり間違いはおこらないだろう。私はそのままCabに乗り込んだ。

「どこから来たんだ? Koreaか?」
彼が聞いてきた。
「当ててみな」
私は欧米で出身を聞かれると、いつもそう聞き返す。
「Chineseか?」
「違うな」
「Japanか!」
「ご名答」
どうやら私の英語はイングランドでも通じるみたいだ。実は少々不安があった。留学時代の台湾の友人がロンドンに遊びに行き、さっぱり言っている事がわからなくてショックを受けたと言っていた。その友人は私より数段英語のできる子だっただけに不安があった。運転手の兄ちゃんからは、英語を話せることに対する一応のリップサービスをもらった。そのお褒めをいただいている間にホテルへ着いた。
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「ここだよ」
料金メーターを見ると£3.80だった。彼の予想より安かった。私は彼に£2.00のチップを加えて支払った。

なんとか無事にホテルへ着くことができた。そのままチェックインをしにReception(日本で言うフロント)へ行った。
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アジア系の客はいないみたいだ。好都合だった。
”まるっきり外国語の中で時間がすごせる”
そう思った。右を見ればコンシェルジュデスクもある。旅の相談もできるであろう。
とりあえず、名前を告げて予約を確認した。無事に取れている。チェックインを行う前に私が持っている予約確認書を見せて、宿泊料金の確認を行った。すべての手続きが済んだ後だと何も言えないからである。予約どおりの価格で問題なかった。私はデポジットにクレジットカードを出し、サインした。

日本ではデポジットと言った習慣はないが、海外ではホテルやレンタカーなどを利用する際にはデポジットを要求される。それは保証金のようなもので、万が一のためにお店側が先にお金をプールしておくのだ。もちろんそれは宿泊終了後、もしくはレンタカー返却後には返還される。日本では現金は優遇されるが、海外ではクレジットカードの方が信頼がある。アメリカではクレジットカードがなければホテルも泊まりにくいし、レンタカーもできない。これは、これから海外に旅したい人のためのマメ知識。

チェックインが完了すると、封筒を手渡された。サッカーのチケットだろう。これでまたひとつ安心した。

ホテルの鍵を渡され部屋に行く。予想以上に狭かった...
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とりあえず無事にホテルへ着いた旨を日本に連絡する。コンシェルジュデスクで地図を取ってきたのでそれを広げると、ここから少しTubeに乗ればシャーロック=ホームズのいた(?)Baker Streetがある。非常に興味がそそられたので行ってみることにした。

再度Receptionに行き、最寄の駅を尋ねる。Paddingtonはどう考えても遠すぎる。するとBayswater Stationが最寄りだと言う。外は寒い。十分な寒さ対策をしてホテルを後にした。ホテルで教えてもらったとおりの道を行くと、なるほど、Bayswaterまでは10分くらいで到着した。そこでTubeをチケットを購入する。初めての購入だ。先ほどはヒースロー空港のインフォメーションで購入したので、実際に自動券売機で購入するのとは違う。

Tubeの料金は非常にわかりやすい。ロンドンの街の中心からコンパスで丸を描く。その円がZone1、もう一回り大きな円を描く。それがZone2。そうやってエリアを決定していく。Zone1内を移動するなら£2.00、遠いZoneに移動すればそれに比例して運賃が高くなる仕組みだ。よって日本の様に駅ごとに運賃が決まっていない。また、1Dayチケットもあり、私が主に利用したのはZone1~Zone2を乗り放題で£4.70だ。これは非常に便利である。これもロンドンマメ知識。
(画像:Tubeの路線図。見難いかもしれませんが、利用した駅は赤で囲ってあります)
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BakerStreetまでは3駅で行ける。あっと言う間に着いてしまった。BakerStreetはなんとも味のある駅である。
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駅の地図を見てシャーロック=ホームズ博物館の位置を確認。地上に出て歩いていった。5分もかからない。あっけないほど簡単に着いてしまった。

しかし暗い... どう見ても閉まっている。そうか、もう20:00くらいである。
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閉まっているわけだ。少し途方にくれていると、私と同じように途方にくれている女の子がいた。同じ心境の仲間なので、彼女のカメラで彼女と博物館を撮ってあげた。雰囲気的には北欧系かな。彼女はお礼を言い、少し寂しそうに去っていった。
「僕も帰ろうかな」
私にはもうひとつ楽しみがあった。ロンドンのPubに行ってみたかったのだ。Bayswater付近でPubを見つけていたので、そこに行こう。再びTubeに乗って戻ることにした。

Bayswater Stationの周りにはたくさんの店がある。おみやげ屋さんもあれば、レストランもある。目星をつけていたPubに入ると、ラッキーにも席が空いていた。
「ここに座って食事をしてもいい?」
店員の女の子に聞くと、テーブルを片付けてくれた。

しばらく待っていると、彼女がオーダーを取りにきた。
「どこから来たの?」
彼女は聞く。
「当ててみな」
いつもの質問だ。
「Chinese?」
と聞かれたので、
「日本だよ。さっき着いたんよ。」
と答えると、
「ホンマに??」
驚かれてしまった。
「とりあえず、伝統的なイングランドの食事をしたいな。あと、ビールも。」
と尋ねると、
「やっぱりFish&Chipsかな。」
でも、ちょっとベタすぎるから、他のオススメを聞いてみた。
「なら、Mash&Sausageかな。これならビールにもよく合うよ!」
彼女は隣のテーブルを指差した。そこにはおばちゃん連中が4人それを食べていた。私はそれを頼むことにした。どんなのかはよくわからなかったが、マッシュポテトとソーセージの料理らしい。

欧米に行って素晴らしいと思うのが、彼らは老若男女問わず同じお店に行く。日本では、若者と年配は別のコミュニティを形成するが、彼らはそういった垣根がない。互いにリスペクトしているのだ。日本ではそれが不可能である。年功序列なる、くだらない制度があるからだ。それが垣根を作っている。リスペクトはカタチで表すものでなく、心で表すものである。制度としては必要ない!

そうこう考えている間に彼女が持ってきた。驚いた。お皿の真ん中にマッシュポテトがドン!とのってあり、そのポテトに太いソーセージが2本並べてのってある。そのポテトの周りをソースがかかっており、シンプルと言うか、大雑把と言うか。
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味は... ソースの味が薄くてあまり良くわからない。ちょっと全体的に胃にズシンをくるような重さがある。そこまで腹ペコではなかったので、すべてを食べ切れる自信がなかった。でも、確かにビールにはよく合う!ビールは美味しかった。

「美味しい?」

彼女が顔を覗き込んでくるので、日英友好のために、”Yummy!(美味い)”と伝えておいた。

実はその時、日本ではもう朝方である。私はあまり飛行機で寝れないタチなので、強烈な睡魔と闘っていた。
「時差ぼけで眠くて。僕にはお腹いっぱいやわ。ごめんね。」
そう彼女に言うと、
「いいよ!また来てね♪」
と機嫌良く言ってくれたので、店を後にした。

何度か道を間違えながらホテルにたどり着き、部屋へ戻った。

サッカーの試合は明後日である。
「明日はロンドンのどこを歩き回るかな。そうそう、コンシェルジュに相談しよ......ZZZ」

私はシャワーも浴びずに寝てしまった。

To Be Continued to 25th...
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by mau46 | 2005-12-14 20:48 | ロンドン旅日記

フルアムVSボルトン 活劇 =父を恨むの巻=

段々と観客が席を埋め始めた。人が私の前を通るため席を立って歩くスペースを空けたりしていると、知らない間にスターティングラインナップが発表されていた。FulhamのメインスタジアムであるCRAVEN COTTAGEにはアーセナルのHighburyの様にモニターがない。立ったり座ったりしている間に見逃してしまったのだ。
「中田は出場するのかなぁ」
その心配は杞憂に終わった。選手がピッチに入場してくる頃には、ある程度観客は席について落ち着いていた。そこには中田の姿もある。これで一安心。そしてゲームが始まる前に黙祷。ジョージ=ベストの死を偲ぶ。前日のHighburyでは黙祷を捧げたが、今日は違った。全員が拍手で彼を送り出したのだ。彼は非常に華のある選手で、湿った雰囲気は苦手だったのであろう。私はまた別の感動を覚えた。

ゲームが始まる。私の両サイドの観客、そして前の観客はドイツ語を話し、後ろの観客はフランス語を話していた。もちろんいずれもフルアムのファンである。スタジアムに笛が鳴り響きゲームが始まった。中田は中盤の左を任されていたように思える。しかし、基本的には動きに縛りはなさそうで、右に左にポジションにこだわることなくよく動いていた。
私が受けた感想は、
”まだ完全に中田がチームから信頼されているわけではない”
と言うことだった。それは、アーセナル戦のコラムで述べたように、アーセナルはベルカンプとピレスに一旦ボールを預ける。そして彼らからパスが供給されて攻撃が展開されていく。しかし、まだ中田中心にボールが集まってくるわけではない。これは仕方ないかもしれない。まだ彼はボルトンに入団して日が浅い。これは時間と彼のプレーが解決してくれることなのだ。彼のポテンシャルがあれば、その時間は他の選手よりも大幅に短縮されるだろう。私のその予想を裏付ける事もある。少しでもパスの連携が合わなかったり、カバーリングの連携がうまくいかなかった場合、中田はすぐに他の選手に近寄り声を掛ける。これはなかなかできるものではない。私は彼のその姿を見て大きな安堵感を持った。
「これなら大丈夫」
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本当に素晴らしい選手である。彼のポジションは何も点数を取る専門家ではない。いわばゲームの潤滑油的な存在なのである。どんな機械も最初は油をなじませるように、彼はその余りある才能を爆発させるため、チームに彼の油をなじませているのである。

ボールの動き方と言えば、中田には浮いた球がよくくる。これではなかなか次の動作には移りにくい。また、彼はヨーロッパの選手と比べると身長では負けてしまうため、上から乗りかかられるとボールをキープするのは難しくなる。できれば足元にボールを集めるように、他の選手には心がけて欲しかった。まぁこれは私のわがままな希望だが...
それにしても中田はよく動く。彼は自らボールタッチの数を増やすことによって、チームの潤滑油たる自分を馴染ませようとしているのであろう。

観客は、昨日のアーセナルに比べるとおとなしく感じた。これはチームの強さと比例しているのかもしれないが、声がアーセナルサポーターのごとく鳴り響くわけではなかった。私は中田に声援を送りたかったのだが、声が小さくてもここはフルアムのホーム。ボルトンが何をしてもブーイングの中で、中田の応援をするのは生命の危険を感じる。大げさに聞こえるかもしれないが、彼らはそれほど自分の愛するチームを応援することに必死なのだ。

もうひとつ気になったことがあった。ボルトンのフォワードである、エル=ハッジ=ディウフという選手である。彼はセネガル代表の選手で、日韓ワールドカップでは、あの前回優勝チームであるフランスとの初戦でフランスに悪夢をプレゼントした。彼のスピードと突破がフランスディフェンスを壊滅させたと言ってよいと思う。その選手がボルトンにいる。
そのディウフがだ。私が見た感じ、
”スピードが落ちた”
と思った。火の出るような爆発力の突破がなりを潜めていたように感じた。もし、彼が本調子のスピードを発揮することができれば、中田のパスとの愛称は良さそうな予感がするのだ。ディウフが変わっていない事と言えば、
その”熱くなりやすさ”だ。
どんなスポーツも頭に血が上った時点で、それは負けを意味する。彼は事あるごとにイラついているのが、遠くにいる私にも感じることができた。それはうまくパスをもらえない、ファウルをとってもらえないが自分がぶつかると簡単にファールになってしまう。オフサイドの判定。それらが彼をイラつかせ、彼を追い込んでいく。
(画像:ブルーのシャツのハゲチャビンがディウフ)
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そんな中、ボルトンは開始4分でゴールを奪われてしまう。アメリカ出身のブライアン=マクブライドにゴールを決められてしまう。私の周りは大騒ぎ。

また、ボルトンは中盤の浮きだまの競り合いにも負けていたように思う。私がフルアムでもっとも気になったのがボランチのパパ=ボウバ=ディオプである。ボランチというポジションは中盤でありながらやや後方にポジショニングする。要は守りの第1砦のようなものだ。現在、世界的なサッカーではこのボランチの活躍がチームの明暗を左右すると言っても過言ではない。守りの第1砦でありながら、攻撃に対しても前方へ安定した正確なパスを供給することを要求される。
一時、レアルマドリーのデイビッド=ベッカムがチャレンジしたが、とても彼にこなせるポジションではなかった。このポジションには屈強なフィジカルが必要だ。そのフルアムのディオプと言う選手がすごい。空中戦ではほとんど負けていなかったように思う。また、ボルトンのカウンターの時でも、まず最初に彼がボルトンの前に立ちはだかりボルトンの攻撃時間を遅らせる。そのディオプの当たりのおかげで、フルアムの選手がディフェンスに帰ってくることができるのだ。素晴らしい選手である。

そのディオプの活躍もあり、18分に再びマクブライドが追加点を上げる。ボルトンにとってはイヤな流れだ。フルアムのプレスが早いので正確なパスが回せない。また、浮き球もディオプが制空権を抑えているため弾かれる。まさに悪循環である。このフルアムの2点はボルトンががぶり寄られた失点のように思う。

そんな中でも中田の動きには目を見張るものがあった。幾度となくチャンスメイクを試みる。倒されてフリーキックをもらう場面もあったのだが、私の周りの観客はブーイングしながらも中田の事を褒めている様子だった。ドイツ語だったので、何を言っているのかはわからなかったが。
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ゲームはそのまま後半に入り、特に見せ場もないままゲームが流れていく。ディウフはピッチにいない。彼は2枚目のイエローカードを貰い退場してしまった。観客はブーイングとともに大喜び。中田は後半開始早々、ジェイジェイ=オコチャと交代してしまった。献身的に動いていたものの、安定したボールが集まらないため、中田の良さが活かされなかったと思う。それに引き換え、ジェイジェイにはボールが集まる。彼を起点にしてパスが供給される事が多くなった。これによりボルトンの攻撃の幅が広がったように見えたが、フルアムのゴールネットを揺らすには何かが足りなかった。

そんなゲームが終わりを告げようとする85分。事件がおきた。私のお腹の雷さんが暴れだしたのだ。
「まぁ我慢できる」
そう思っていたのだが、次は雷さんが怒り出した。
「Excuse me」
私は席を後にしてトイレへ直行。やはりゲーム中だ、ガラガラに空いている。私は個室に飛び込んだ。その時、最大のゴロピカドン。危なかった、もう少し座席で辛抱していたら、大きな国際問題を起こしかねなかった...
私は両親の遺伝子を引き継いだことを非常に誇りに思っているが、このお腹の弱さは父親譲りのものだ。素晴らしい遺伝子なのだが、このようなオプションはいらなかった。

父親を恨みつつ、トイレを慌てて出ると終了の笛が鳴り響いていた。悲しみのままスタジアムを後にしようかと最後にピッチの方へ行けば、最終スコアは2-1!私がトイレで戦っている間にボルトンが一矢報いていたのだ。人に聞くとフルアムのオウンゴール(自殺点)らしい。貴重なゴールシーンを見逃し、何か大切なものを失ったような気持ちになりながら私はスタジアムを後にした。

とぼとぼPutney Bridge駅へ向かって歩いていった...

明日は日本に帰る日である。
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by mau46 | 2005-12-13 17:39 | スポーツ

番外編  日テレって...

何を考えているのだろう。

社をあげてカズを勝たせたい気持ちはわからんでもないが、カズが勝てばなんでもいいのか?
あの節操のなさは気分が悪くなる。
巨人の放送とまったく同じ方式で、日テレが認めるスーパースターを出して勝たせないと気が済まない手法はむしろ時代遅れに思う。

正直言って、このトヨタカップジャパンにカズを出させるため。要するにこの大会の視聴率を上げるためにカズをシドニーFCへ移籍させる力技は下品極まりないと思う。それでポジションを奪われた選手は日本を恨むだろう。このポジションの奪い方は実力ではない。ジャパンマネーに大きく起因する。本当はそうでないかも知れないが、この時期の移籍となれば、そう推し量っても余りある。

さらに言えば、リバプールが本気でこの大会に臨むとは思えないし、本気であって欲しくない。なぜならプレミアリーグ(目下2位)やチャンピオンズリーグ(グループリーグ首位突破)の質が落ちるとイヤだからだ。

日本に来れば必ずコンディションの変化はあるだろう。それで調子を崩したりすれば、選手が気の毒でならない。体調を崩さず、ケガをせずに帰国してもらいたいと切に思う。

TOYOTAカップの1発勝負ならまだよかったのになぁ。あれは本気度が観てるこちらにも強く伝わってきた。
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by mau46 | 2005-12-12 23:17 | スポーツ

フルアムVSボルトン 活劇


先日のアーセナル戦の他に、もうひとつロンドンに来た理由があった。それは翌日に行われるボルトン戦を観戦するためだ。アーセナル戦は日本でチケットを購入したが、やはりそれでは費用がかさむので、このフルアム対ボルトン戦はロンドンで購入しようと思っていた。

ホテルのコンシェルジュにチケットの手配を相談したが、サッカーのチケットはコンシェルジュでは扱っていないと言う。ホテルの最寄り駅のチケットセンターに行けば、チケットを購入できるかもしれないと教えてくれた。彼はフィリピン出身のコンシェルジュで非常に優しく丁寧に教えてくれた。妹さんが日本に住んでいた事もあって仲良くなった。皆さんも旅に出たら、そのホテルのコンシェルジュと仲良くなった方が良い。色んな街の情報を教えてくれる。

私はそのまま最寄り駅の近くにあるチケットセンターへ足を運び、問い合わせてみたがサッカーのチケットを扱ってはいなかった。やむなく移動して、旅行会社に飛び込んで聞いてもみたが、そこでも扱っていなかった。基本的にはネットで購入するのがスタンダードらしい。そういえば、来る時の飛行機で隣に座っていた兄ちゃんがそう言っていた事を思い出した。しかしここではネットを活用する手段が見つからなかった。いや、あるのはあるのだが、利用料金が高額なので使用を避けた。

旅日記でも後々書くが、色んなところを回るついでにその街のインフォメーションで尋ねるも、
なかなかこのギリギリのタイミングで翌日や当日のチケットを販売している店はない。

私はダメ元でスタジアムまで行ってみることにした。Tubeを乗り継いで、コンシェルジュに教えてもらった Putney Bridge駅へ向かった。試合開始が14時からなので、12時くらいには駅に到着していたと思う。駅の地図を見てスタジアムの場所を確認した。ちょっと歩かなければならない。しかし、日韓ワールドカップを観に行った(ロシア対チュニジア)時、神戸ウィングスタジアムから最寄の駅まで歩いた途方もない距離に比べると、なんてことはない。寒さに凍えながら歩いていった。途中、日本人らしい人が私の前を歩いていた。恐らく留学生か何かだろう。近所に中田英寿が来るので見に行くのであろうか。
「もうチケット持ってるんやろうなぁ~。いいよなぁ~」
なんて顔は決して出さず、堂々と道を歩いた。小さな強がりをする29歳である。

長い一本道を歩いていると、白を基調とする店があった。それはFulham(フルアム)Official Shopだった。店の壁を見ると”Ticket”と書いてあるので、飛び込んだ。店員に本日の試合のチケットがあるか尋ねると、
「おいていない」
と言う。軽い失望感を憶えると彼は続けた。
「スタジアムに直接行って、買いなさい。残っていれば買えるだろう」
「当たり前やんけ!」
心で突っ込みながら、店を後にした。

スタジアムに着くと日本人が大勢いた。ボルトンの選手を乗せたバスが到着するのを待っているのであろう。そのバスには中田も乗っているからだ。私はとりあえずチケットを買いに行った。問い合わせるとチケットは残っているという。
「さすが!フルアム!弱いだけある!」
なんて言えなかったが、嬉しさのあまり、
「Nakataを観に来たんだ」
と店員に言ってしまった。しまった、そう言えばホームはフルアムであってボルトンでない。しかし彼は気さくに対応して、
「きっと観れると思うよ。Good Luck!」
と言ってくれた。彼に礼を言ってチケット売り場を後にした。
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そのまま私は先ほどのバス到着場まで行って、マッチプログラムを購入し、ボルトンバスの到着を待った。しかし、マッチプログラムはフルアムの方が高かった。アーセナルは£2.00だったのに対し、フルアムは£3.00だった。この差は一体何か... 多くの日本人にまぎれながらバスを待つこと30分以上。なぜだろう、こちらの人(ヨーロッパ人)は寒さに強い。この中でゲームシャツ(薄地の半袖!)を着ているだけの子供が何人もいた。彼らはフルアムのサポーターでボルトンのバスを待っている。どうしてかって?? バスにブーイングを浴びせるためである。バスの停まる場所まで子供がせり出していたので、Steward(番人みたいな人)がやって来て、
「これ以上進むとフーリガンになるぞ~」
って子供を笑わせていた。日本人にこんなユーモアはない。アメリカでもヨーロッパでもそうなのだが、子供に注意する時にはエッセンスとして何かユーモアを入れる。こんなコミュニケーションの積み重ねが人とのつながりになっていくのであろう。日本人は人とのコミュニケーションを嫌う民族だ。人と目を合わせなければ必要以上に会話もしない。教育を間違っているのだ。杓子定規ではコミュニケーションは取れない。話がそれた...

バスが到着した。どこの国に言っても、日本人のおばはんはすごい。人を掻き分けて中田を探す。やがて中田でバスから降りた。彼は少し恥ずかしそうに降りてきたように思える。
え?画像がないって?そうなんです。焦って撮影に失敗しました。その間、子供達は絶え間なくブーイングを浴びせている。中にはボルトンのサポーターの子供もいて、歌を歌って彼らを迎えていた。

私はその後すぐにスタジアムに入り、席に着いた。このスタジアムは川沿いに立地されており、非常に美しい。座席の場所は写真でもあるようにRiverside Standの上の方だ。要するにメインスタンド側で、バックスタンドに向かって左側の上である。ここもピッチ全体が見渡せる絶好の場所だ。
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またHighburyと違って、観客席でタバコは吸えない。ふてくされながらまっているとアップが始まった。フルアムのキーパーが拍手に包まれながら出てきた。

私はそのまま別の方を見ていると、ボルトンの選手が現れた。もちろん中田もいる。私は反対のサイドでアップしているボルトンを見に移動した。私の数メートル前で中田がアップを行っている。日本人もたくさん来ていたが、私は一人黙って練習を見ていた。中田はいつものように、ボールをトラップ(自分の近くでボールを止める)前には首を左右に振っている。なぜこの必要があるかと言えば、サッカーは流動的なスポーツである。人からパスを貰った後で周りを見るようだと、その隙に相手にボールを取られてしまうリスクがある。トップ選手はボールを貰う前に、自分の周りがどうなっているのかの情報を頭に入れておくのである。そうすることによって、ボールを貰ってから次の行動に移るまでの時間が短縮されるし、隙もなくなる。どんな仕事でも準備が結果の明暗を分けることと同じように、中田も自分の最大の仕事であるパスの動作に入る前に準備を済ませているのである。
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その中田の徹底さに感心していると、スタジアムにスペシャルゲストが現れた。サー=ボビー=ロブソンだ。
(画像:これは私の撮った写真ではありませんが参考として... 申し訳ありません)
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あまりの突然だったので、写真を取るのを忘れてしまった。申し訳ありません! それにしても、周りの日本人! サー=ボビー=ロブソンが現れたのに拍手もせず、中田ばかりを見ている。結局知らないんだな。多くのチームで攻撃的サッカーを作り上げた偉大な人物を... プレミアリーグ(イングランドのプロサッカーリーグ)を観戦するくらいなら、少しはプレミアの歴史を調べればいいものを、と思う。サー=ボビー=ロブソンに会える機会なんて本当に少ないんだから。と憤慨しながら、しばらくサー=ボビーに見とれているとアップが終わってしまった。中田はスターティングメンバーに入るのであろうか...

おっ! もうすぐ試合が始まるな! このコラムの後編に続くな!


P.S. すいません。なかなか短くまとめられないんです。自分の考えとしては、サッカー好きな人は試合結果を知ってると思うんであまり試合内容は重視していません。むしろサッカー好きな人はスタジアムで生を観たいはずだから、できる限りスタジアムの雰囲気をお伝えできるように心がけておりますです。また、サッカーにあまり詳しくない方も、ホンモノ(本場)のサッカーの雰囲気を感じてくれたら、是レ幸いに思います。ご意見ご希望をお待ちしております!!
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by mau46 | 2005-12-12 17:24 | スポーツ

旅サラダ(ロンドン旅日記) ~24日~ =番外編=

昼の12時からのフライトのため、やや早めに家を出る。
しかし朝の8時は早すぎだろう。まぁいいか。

JR高槻駅まで行き、茨木駅まで向かった。そこから空港リムジンが出ているからだ。
空港リムジンの乗り場まで行き、そこのおっちゃんに声をかける。おっちゃん曰く、道路が非常に混んでいてバスがいつ着くかわからないし、出発しても関空にいつ着くかわからないと。

私はその場の判断で電車で行くことに決めた。茨木駅から大阪駅に向かい、そこから関空快速に乗った。およそ1時間くらいで関空に到着。10時過ぎに関空へ入ることができた。

私はそのままJALのカウンターに行き、チェックインをする。グラウンドホステス(この言葉はもうタブー??)に席の注文をする。私は先日電話予約で非常口前を座席を確保してもらったのだが、3人がけの席の真ん中だった。長時間のフライトだと真ん中は疲れる。だから通路側の座席は空いていないか尋ねた。すると取ることができると言うのでお願いした。

荷物と言えば、非常に簡単である。飛行機へ手荷物として持って入れるサイズのキャリーバッグ(通称:コロコロ)だけだ。私の旅はあまり荷物を持たない。お土産も買わない、貰わない。そもそも私は人からお土産を貰うよりは、そこでの話を聞く方がよっぽど好きである。自分からリクエストしたり、よっぽどの私の好みのものでなければ、私の友達もお土産を買ってこない。正直言って、お土産といっても大体どのようなものか想像できる。と言うのは、それほど驚くほど珍しい国に行く人はあまりいないだろう。だから一度は聞いたことのあるお土産が多くなるのである。だからお土産を買うような無駄な時間があるなら、たくさんその国のことを見てきて、その人の視点で私にたくさん話してもらいたいと思う。私もよっぽどの思い入れがなければ、お土産を探すような無駄な時間を浪費するより、多くのものを見たいと思う。(←これで私のファンがたくさん減った)

私はスタスタとイミグレーションに向かい、手早く出国を済ませた。モノレールに乗り搭乗口付近まで行き、タバコを購入した。海外では大概タバコは高い。空港で買っておくのが賢明である。そしてサクララウンジで出発までの時間を過ごした。ドメスティックと違い、インターナショナルはラウンジ内でタバコを吸えるのがいい。午前からビールを飲みながら優雅なひと時を過ごす。

しばらくすると呼び出しがあり、搭乗口に向かった。やっと出発である。しかし非常口前なので楽に過ごす事はできた。前に座席がないから長い脚を思いっきり伸ばす事ができるからだ。隣のイングランド人と話しながら飛行機はロンドンヒースロー空港へ向かっている。

「フットボールを見に行くなら、フーリガンに気をつけろよ」
「俺はロンドン出身だが、マンチェスターユナイテッドのファンだ」

そんな会話が繰り広げられたと思う。
大して飛行機は揺れることもなく、無事にヒースローに到着した。
ロンドンへの旅は初めてだったので何もわからなかったが、隣の席のお兄ちゃんに私が滞在するホテルの最寄り駅の行き方をある程度聞いておいた。ヒースローからおよそ1時間半くらいだと言う。飛行機が滑走路にランディングする時、外を見るともう暗かった。

荷物が少ないので私の到着後の行動は早い。そそくさとイミグレーションまで行くと並んでいるのはまばらだった。私の前の日本人が声を掛けてきた。彼はイギリスの大学院をまわるのだと言う。このまま入国しヒースローからエジンバラへ乗り継ぐらしい。入国も問題なく済ませ両替へ向かった。とりあえず$300でPound(なぜ日本ではポンドと発音させるのか理解し難い!どんな耳をしているのだ!)を購入した。

私はTube(ロンドンの地下鉄をそう呼ぶ)に向かった。とりあえずわからないのでTubeのインフォメーションに行き、目的地までの乗り継ぎ方とチケット、そしてマップを貰った。Tubeに乗り込むと意外な小ささに驚かされた。日本の地下鉄に比べると2まわりくらい小さいのだ。おとなしく座っていると、原色ばかりのコーディネートをした人が乗り込んでいた。嫌な予感はしたがそれは的中した。彼は電車で演説を始めた。
「ジーザス=クライストがどうのこうの」
「我々はジーザス=クライストの子でどうのこうの」
ああ・・うっとおしい。
”あなたの愛するジーザス=クライストは地下鉄内でわめき散らして迷惑をかけることを許してくれるのかい??”
と心の中でつぶやきながら、乗り換えのために電車を降りた。

その後、目的のPaddington駅に到着した私は、寒さに凍えながら路頭に迷ってしまう。
”はっはぁ~ん、俺は迷子やな”

果たして私は無事にホテルへ到着することができるのであろうか・・・・

To be continued...(もう誰も愛さない)
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by mau46 | 2005-12-06 12:07 | ロンドン旅日記

アーセナルVSブラックバーン 活劇  =後半の巻=

トラックバックカテゴリ:スポーツ

前回のキックオフ編は長すぎた。
少々読みにくいところもあったかもしれない。
この後半はなるべく短めにするので、終了までお付き合い願いたい。

さて、ハーフタイムが終わり後半が始まった。
前半に比べ、ブラックバーンのプレスが弱くなっている気がした。それはそうだろう、前半で2点差は絶望に近い。ここはHighburyだ。アウェー戦での2点差をひっくり返すには相当な戦力差が必要である。残念ながらブラックバーンにそれは望めない。考えられる策といえば、高さではアーセナルのディフェンスに弾き返されてしまうので、スピードのある選手をとにかく走らせて、足元での勝負しかない。空中を牛耳ることはできない。

それがまたうまく機能しない。うまくイングランド代表のディフェンダーであるソル=キャンベルがカバーする。ブラックバーンは押してはいるのだが、最終的なアクセントが足りないようだ。
(画像:ソル=キャンベル画面中央の23番)
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アーセナルは選手個々の能力を駆使して攻撃するのに対し、ブラックバーンはロングパスなどを駆使して攻めている。
そこで我々の眼を驚かせたのは、ホセ=アントニオ=レイジェスの突破だ。彼はスペイン代表の快速FW(フォワード)で非常に運動量も多く、本来のポジションである左に関係なく縦横無尽に走り回り、引っ掻き回す。そのホセ=アントニオが自陣付近から相手DF(ディフェンダー)を引きずりながら快走。ユニフォームを引っ張られながらドリブルする姿を見て、日本代表に欲しいハングリーさだと思った。結局止められはしたが、観客は総立ちのスタンディングオベイション。
「ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!」
私もこの歓声には加わって大合唱してみた。なんと爽快な事か!

しばらくすると、ホセ=アントニオはフラミニと交代する。その時にも、
「ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!ホセ=アントニオ!」
彼は頭の上で拍手をし、観客のそれに応える。選手としての幸せとはこの瞬間なのだろう。
(画像:ホセ=アントニオ=レイジェス画面中央の9番)

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やがて、ロベール=ピレスも交代する。代わって出てきたのは、フレデリック=ユングベリだ。彼はスウェーデン代表で彼も並々ならぬ足を持っている。走り出しからターボがかかるような加速で彼もポジションにこだわらず、攻守にわたって走り回る。
(画像:フレデリック=ユングベリ画面中央の横を向いている人)
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その後、ベルカンプが後方から来る浮いたパスをディフェンダーを背負いながら、ボールを自身のヒールに当て抜き去ると言ったアートを披露した時、観客は頭を抱えてそれぞれの目を疑っていた。そうだ、デニス=ベルカンプのテクニックはただのテクニックにあらず。そこに美しさのエッセンスがこめられているのだ。
「醜い勝者になるか、美しい敗北者になるかだ」
クライフは言った。彼は私の愛するオランダフットボールを作り上げた張本人で、独特の哲学を持っている。
「ただ勝つのではない、美しく華麗に勝利する」
彼のマネージメントするサッカーにはいつもそのメッセージがこめられている。そのクライフの申し子たちは、強さだけでなく美しさもピッチ上で披露する事を義務化されているのだ。目の肥えたイングランドサポーターが目を丸くし、自分の目を疑う。そんな矛盾を私は体験しデニスに酔いしれた。私が観に来たものはこれだったのだ。

デニスは今年でアーセナルを後にする。長い激闘の幕を下ろすのだ。彼はアーセナルを去る代わりにプレゼントを残してくれる。それが今からピッチに登場する、ロビン=ファン=ペルシーである。満を持しての投入。将来有望なこの若いオランダのライオンはティエリー=アンリとデニス=ベルカンプを見て成長している。そのボールタッチは繊細でアンリに似ている。アンリへのパスはデリケートでデニスのそれである。デニスと交代した彼は試合終了間近、右サイドでボールを受けた。マークするのは2人。彼は二人の間にボールを通す。それはまるでアンリの突破だ。足運びまで似ている。抜いたときには、その得意の左足からボールは離れていた。美しいカーブを描きながら、その位置からは見えないはずのゴールマウスを無理やり見える角度になるようにボールを曲げ、キーパーの頭を越えて静かにサイドネットに落ちた。我々は再びアートを眼にしてしまった。

私は未来のアーセナルを見た気がした。デニスもこれをみて、オランダの将来を安堵した事だろう。
皆さんも来年のワールドカップでオランダ代表のロビン=ファン=ペルシーに注目してもらいたい。

試合は3-0という結果だった。ブラックバーンは終始ボールを動かし試合も動かしたが負けた。

それはブラックバーンは料理好きだが、味付けがうまくいかず、
アーセナルはプロセスはともかく、見た目も素晴らしく、絶妙な味付けの料理を出した。

そんな試合だった。
(画像:兵どもが夢のあと)

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私はHighburyを後にした。寒さで再び空腹が私をノックする。恐ろしいイングランドの食事を済まさねばならない。

明日はフルハム対ボルトンだ。
ボルトンには中田英寿が所属している。なんとか試合を見に行きたいのだが、街のチケット屋に行っても、ホテルのコンシェルジュに頼んでも手に入らないという。
私は見に行くことができるのであろうか!?

こうご期待!
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by mau46 | 2005-12-05 18:15 | スポーツ

アーセナルVSブラックバーン 活劇  =キックオフの巻=

トラックバックカテゴリ:スポーツ

とにかく寒い。それにお腹が空いてきた。そこで私は席を離れて売店へ行った。そこではホットドッグが売っていたので購入。その際、店員に好きな選手を聞いた。彼はすかさず、
「ヘンリー!」
と言った。私は誰のことかわからず聞きなおした。彼は、
「ヘンリー。ナンバー14!」
そうか。彼はティエリー=アンリを指していたのだ。
ティエリー=アンリはフランス代表のフォーワードの選手で、アーセナルでもフォワードを務めている。彼の実績は申し分ない。卓越したスピード、類まれなゴールセンス、そして鋭いフリーキック。また、私が敬愛するデニス=ベルカンプとの息もぴったりなのである。
アルファベット表記すれば、Thierry Henry。店員は英語読みをしていたのだ。彼に理解した旨を告げると、
「どこから来た?」
と聞かれた。日本からと伝えると、わざわざ観に来たことを喜んでくれた。また、
「お前は試合が観れていいな。俺たちはいつも裏だから試合が観れないんだよ。」
とうらやましがられた。シャーロックホームズ博物館の警察官と同じだ。ホットドッグとカフェラテを買った。
”その気になればいつでもチケットを購入して観に来れるくせに。そっちの方が羨ましいわ!”と心でつぶやきながら彼らの嫉妬心を背に受けて席に戻った。

ホットドッグとカフェラテが私の体を温めてくれたので、落ち着くことができた。すると、選手のウォーミングアップが始まった。ビジターであるブラックバーンのキーパーが出てきた。彼らが練習を続けていると、後から選手達が現れてアップを始めた。
”これが世界トップリーグの練習か”
私は彼らを凝視しながらホットドッグをかじっていた。観客もぞろぞろ集まってきた。

やがて観客がどっと沸けば、アーセナルの選手がピッチに登場した。

身震いがした。目の前にデニスがいる。アンリもいる。なんと豪華なメンバーだろう。そのほとんどの選手が各々の国の代表選手なのだ。
例えば、フランスで言えば、ティエリー=アンリ、ロベール=ピレス(代表引退したっけ?)。オランダはロビン=ファン=ペルシー。スペインはホセ=アントニオ=レイジェス。スウェーデンはフレデリック=ユングベリ。もちろんイングランド代表はソル=キャンベル、アシュリー=コールなどが挙げられる。その他多くアーセナルはタレントをそろえている。

あまり引っ張っても仕方ないのでゲームの方へ話を戻そう。

アップも終わり、選手は着替えを終えて再びピッチに戻ってきた。その頃には観客席はサポーターで埋まっていた。私の席はバックスタンドで、ピッチに向かって右側の前から30番目の席。障害物もなくピッチ全体が見渡せる良い席だ。右手をみるとゴール裏の席の私側にブラックバーンサポーターの一角があった。彼らは厳重にStewardによって囲まれていた。Stewardは蛍光オレンジのジャンパーを着ていたので一風変わった空間ができていた。まるで養殖のいけすの様だった。

選手同士が握手を終えると、センターサークルに集まった。場内アナウンスが流れる。
ジョージ=ベストを悼む、黙祷を捧げるためだ。
偉大な選手のためにスタジアムは敵味方関係なく無音地帯となる。ただ黙祷開始の審判のホイッスル以外は。
私も黙祷を捧げた。日本語でメッセージを残しても彼は理解できないであろうから、とりあえず英語でジョージに話しかけた。

再び甲高い審判のホイッスルが鳴り響くと大歓声が起こり、センターサークルにはアンリとベルカンプだけになった。


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キックオフだ。

試合開始とともに驚かされた。両チームのディフェンスラインの高さだ。サッカーをわからない方もいるであろうから簡単に説明すると、ディフェンスラインとはキーパーを除くチームの一番後ろの選手のいる位置だ。それが後ろにあればあるほど守りに入り、前にあればあるほど攻撃的になる。もちろん後ろに下がれば攻撃に迫力はなくなる。前に出れば攻撃に転じやすい。しかしその分ディフェンスとキーパーとの間にスペースが空き、そこを狙われるリスクがある。それが両チームともにディフェンスラインを上げているのだ。ボクシングで言えばノーガードで打ち合うようなものか。つまり両チームとも”やる気”なのだ。

さらにアーセナルの強さを感じた事がある。ボールが落ち着くのだ。これは、どんな状況であってもベルカンプとピレスの二人にいったんボールを預けると、ボールが落ち着く。彼らがボールをキープすれば、よっぽどの事がない限り奪われる事はない。彼らにボールを預けると他の選手は安心して攻撃のために前方へ上がれる。セーフティーにボールをキープできる選手が二人もいるのだ。これは心強い。彼らがボールを受けてそれから他の選手へパスを供給し、攻撃のリズムを作っていく。それによりアンリの敏速な動きが活かされてくるのだ。

しかしブラックバーンも負けていない。前述したディフェンスラインの高さで必死にベルカンプとピレスに早めのプレッシャーをかけ、良いパスを出させない。

その間サポーターは....

ブラックバーンが何をしてもブーイング。寝ても覚めてもブーイング。また、日本のプロ野球のように応援団がいるわけではなさそうだ。タイコを持ったにいちゃんはいるのだが。しかし決まった掛け声があるらしく、誰かがワンフレーズを叫ぶとそれに呼応して他のサポーターも続きを歌いだす。これが見事なのだ。この掛け声は多くのパターンがあり、それを誰が歌いだしてもかまわないのだ。私もやってみたかったがそれには少々身の危険を感じる。
「お前に何がわかんねん!」
と大阪弁ではこないであろうが、そうなりそうな雰囲気が少しした。
しかし感心したのは、サポーターはみんながきちんと着席して応援していることだ。
Highburyには二つモニターがあり、試合開始前には、
『If you love football, please sit down』
と映し出されていた。それを守っているのだ。”さすがは紳士の国”と思っていると、アーセナルがチャンスとなるや、みんな総立ち。それに続いて私も立つ。チャンスが終わるとドミノのように着席。これの繰り返しである。段々私も慣れてきた。しかしイングランドのサポーターは声がよく出る。低く通るのだ。しばらくするとサポーターも熱くなってきたのか、掛け声がヒートアップしてきた。だいたいいつも良く声を出すにいちゃんが数人いたのだが、その内の一人が立ち上がって選手を鼓舞しだした。それに続いて他のサポーターも声を出すのだが、ひと段落してからすぐに警官が飛んできた。
「ちょっとこい。」
呼び出されて、
「あんまり調子に乗るな」
とでも言われたのであろう。注意された彼はすごすご席に戻った、と思いきやすぐに絶叫。要は着席していればいいのである。そうやって警官に呼ばれる人数名。しかしわかる気がする。座らせておかなければ、いつ彼らのヒートアップが沸点に達してフーリガン化するかわからないからである。そのために機先を制しているのだ。

ゲームに戻ろう。
ブラックバーンはよく戦っている。何度もアーセナルのアタックを弾き返している。ゴール前に詰められても耐えしのいでいるのだ。
しかしそれが続いたのは5分だけだった。

ゴール前からこぼれたペナルティエリア外のボールを疾風のように走りこんできたアーセナルのセスクが狙う。一瞬の隙だったのだろう。ブラックバーンがボールを弾き返した安堵感がセスクの視界を広げさせた。狙い済ませたようにゴール右隅に。若干のカーブをかけながらのファインゴール。あれではキーパーは取れない。

サポーターは大変だ。ゴールの瞬間総立ち、絶叫、そしてブラックバーンサポーターへの怒号。一粒で三度おいしい感じがした。ブラックバーンは良く守っていただけに不幸な失点だった。

ブラックバーンはその後も失点をしてしまう。アーセナルがロベール=ピレスにボールを預ける。ピレスがダッシュし切れ込むかと思ったその瞬間だった。矢のようなグラウンダーのパス。
「誰がいるんだ?」
アンリだった。アンリがブラックバーンディフェンダーと左付近をかけっこをしていた。と思ったらすでに抜いている。アンリは倒れこみながら逆サイドのゴール右隅にボールを流し込む。なんとデリケートなシュートだ。あれだけのトップスピードでいながら、優しいボールタッチでダイレクトにゴールへ確実に流し込む。簡単なシュートではないハズなのだが... ピレスのパスも素晴らしい。アンリのスピードを考え、アンリだけが追いつける場所にピンポイントでボールを転がしている。完璧なフレンチコネクション(知ってる??)だ。

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これがアンリのHighburyにおける通算100点目だ。観客は喜び狂っていた。彼らはアンリを神の様に崇めている。

これでゲームはほぼ決まってしまったか。あとはお祭り騒ぎの乱痴気騒ぎだった。ブラックバーンのチャンスに沸くブラックバーンサポーターに対して、彼らの攻撃が失敗すると、
「Sit Down, Shut up Sit down Shut up」
の連呼。なんの節で歌っているのかと思えば、ビッグベンのチャイムの音。日本の学校のチャイムと同じ節だ。はい、皆さんも歌ってみましょう。

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するとどこからともなく、
「F★ck Off, MOURINHO(モウリーニョ)! 」
の大合唱。モウリーニョとは、現在プレミアリーグ1位を独走しているチェルシーの監督だ。アーセナル監督のベンゲルとのちょっとした確執もある。しかし今は関係ないのにみんなで絶叫している。それがなんと美しくF-Wordのハーモニーになっていることか...
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ヨーロッパなどの他国を応援する日本のサッカーファンに伝えておきたい。選手名はラストネームだけでなく、ファーストネームも覚えておかなければならない。基本的に掛け声はファーストネームで行われる。最初はこれに戸惑った。
そういえば稲本がアーセナルに移籍してこう言っていたことがある。
「練習にはテレビで見たことのあり知っている選手が多くいて改めて驚いた。でも互いにファーストネームで呼び合うので誰が誰かわからなかった。」
と。アンリがゴールを決めると、ファンは「ティエリー」とファーストネームで叫ぶ。だからこれから海外サッカーファンはファーストネームで呼ぶことを心がけるとヨーロッパに行くと苦労しないかも。ただ、アンリの掛け声は「ティエリー=アンリ」と多少独特な節で応援もしていたもの事実だが...


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面白かったのは、アーセナルの左サイドバックの、パスカル=シガンだ。彼は本来スタメンでない。アシュリー=コールがケガをしているため代役で出ているのだ。これがまた危なっかしい。サポーターも非常に心配しているようだ。シガンのところへボールがくると、
「Cygan(シガーン)!!!!」
と叫んでいた。意外に今日は頑張っていたのだが、彼がサポーターに相当心配をかけているのがよくわかった。


ゲームはそのままアーセナルが相撲で言う”がぶりより”のような感じでプッシュしまくり後半へ向かう。
その後私はベルカンプをはじめとするアーセナルのプレーに酔いしれることになる

またまた続く...(引っ張りすぎ??)

<補足>
画像1:キックオフの瞬間。中央左ベルカンプ右アンリ(えんじ色のユニフォーム)。ピンボケ御免!筆者も興奮していたものですから
画像2:アンリにパスを出したロベール=ピレス(男前)
画像3:ブラックバーンサポーターに怒号をプレゼントするアーセナルサポーター
画像4:チェルシー監督モウリーニョ。サムソンの看板でカッコ良かったのでアップ。
画像5:仲良くなった、アンリ命のアーセナルサポーター。笑顔で見せてくれていたのだが、アーセナルの選手が倒されたので、すかさず怒鳴り散らす
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by mau46 | 2005-12-01 20:42 | スポーツ


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